「年収の壁」の引き上げ:所得税が178万円へ
所得税が発生し始めるラインが大幅に引き上げられます。
- 新しい基準額: 178万円(現行の160万円から上乗せ)
- 実施の目的: 物価高への対応と、働き控えを防いで手取りを増やすため。
- 主な減税額の目安(所得税・住民税の合計):
- 年収500万円の人:約4.7万円の減税
- 年収600万円の人:約5.6万円の減税
- ※納税者の約8割が減税の対象となる見込みです。
パートタイマーに関わる「社会保険」の壁
税金(所得税)とは別に、年金や健康保険料の負担が発生するラインです。
- 106万円の壁(社会保険):
- 従業員51人以上の企業等で、月収8.8万円を超えると社会保険への加入が必要になります。
- 今後の動き: 3年以内にこの金額要件(月額8.8万円)は撤廃される方針です。
- 130万円の壁(社会保険):
- 配偶者の扶養を完全に外れるラインです。
- これを超えると自身で国民年金や国民健康保険を支払う必要があり、手取りが大きく減る「働き損」が起きやすいポイントです。
今後の働き方の注目ポイント
改正後は「いくら稼ぐか」だけでなく、**「週に何時間働くか」**が重要になります。
- 所得税の壁(178万円): 今後は178万円まで所得税を気にせず働けるようになります。
- 労働時間の基準: 社会保険の加入ルールが「週20時間以上」という時間基準に統一されていく見通しです。
- 社会保険に入ると目先の手取りは減りますが、将来の年金額が増え、病気やケガの際の保障(傷病手当金など)も手厚くなります。