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【令和8年度税制改正】2026年4月から何が変わる?中小企業が押さえるべき6つのポイント

2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱に基づく関連法案が、2026年2月20日に閣議決定され国会に提出されました。原則として2026年4月1日から施行される予定です。本記事では、中小企業の経営者・経理担当者が特に注意すべき改正ポイントを6つに絞って解説します。

1.「年収の壁」が178万円に引き上げ

今回の改正で最も注目されているのが、いわゆる「年収の壁」の見直しです。基礎控除と給与所得控除の最低保障額がそれぞれ引き上げられることにより、所得税の課税最低限が現行の160万円から178万円へと引き上げられます。

【基礎控除】

合計所得金額2,350万円以下の方について、控除額が4万円引き上げ。さらに年収665万円以下の中低所得者には特例による上乗せ措置あり。

【給与所得控除】

最低保障額が65万円から69万円に引き上げ。加えて特例として5万円の上乗せあり。

【物価連動の仕組み】

消費者物価指数の伸びに連動して2年に1回のペースで控除額を見直す恒久的な制度が創設されます。

パート・アルバイト従業員を多く雇用している中小企業にとっては、扶養の判定基準や給与計算に影響が出るため、給与計算システムの改修や従業員への周知が必要です。

2.賃上げ促進税制の縮小・廃止

従業員の給与を一定割合以上引き上げた企業が法人税の税額控除を受けられる「賃上げ促進税制」に大きな変更があります。

【大企業向け】

令和8年3月31日をもって廃止。本来の期限より前倒しでの終了です。

【中堅企業向け】

令和9年3月31日をもって廃止。令和8年度は適用要件が厳格化され、必須の賃上げ率が3%以上から4%以上に引き上げられます。

【中小企業向け】

現行制度は維持されますが、教育訓練費に係る上乗せ措置は全区分で廃止されます。

<実務上のポイント>

中小企業向けの賃上げ促進税制は当面継続しますが、教育訓練費の上乗せがなくなる点には注意が必要です。今後の動向によっては中小企業向けも将来的に見直される可能性があるため、適用を受ける場合は早めの検討をおすすめします。

3.インボイス経過措置の見直しと「3割特例」

インボイス制度に関連して、免税事業者から課税事業者に転換した個人事業主を対象にした経過措置に変更があります。

現行の「2割特例」(売上消費税額の2割を納税額とする措置)は令和8年9月30日が属する課税期間で終了しますが、個人事業者については令和9年分・令和10年分の2年間に限り、売上消費税額の3割を納税額とする「3割特例」が新設されます。

また、免税事業者からの仕入れに係る経過措置(仕入税額の一定割合を控除できる措置)についても期間延長と控除割合の見直しが行われます。インボイス登録をしている取引先が多い事業者は、改めて影響を確認しておきましょう。

4.特定生産性向上設備等投資促進税制の創設

大規模な設備投資を後押しする新たな税制優遇が創設されます。経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づき、一定の設備を取得した場合に即時償却または税額控除(投資額の7%、建物等は4%)を選択できる制度です。

投資計画の要件として、大企業は取得価額の合計が35億円以上、中小企業は5億円以上であること、年平均の投資利益率が15%以上であることなどが求められます。米国の関税措置の影響を受けた場合には、控除限度超過額を最大3年間繰り越せる措置も設けられています。

中小企業にとっては5億円以上の投資が条件となるためハードルは高いですが、大規模な設備更新を検討中の事業者は活用を検討する価値があります。

5.暗号資産取引への分離課税の導入

これまで雑所得として最大約55%の総合課税が適用されていた暗号資産取引の利益について、株式等と同様に約20%の分離課税が導入されます。損失の3年間繰越控除も認められる予定で、暗号資産を保有する経営者や個人事業主にとっては大きな変化です。

ただし、適用は令和9年分の所得税からとなるため、実際に影響が出るのは2028年3月の確定申告からとなります。

6.その他の注目改正

上記のほか、中小企業に関連する主な改正事項として、住宅ローン減税が2030年末まで5年間延長されること、未成年者向けNISA(つみたて投資枠、年間60万円・非課税保有限度額600万円)が解禁されること、通勤手当や食事手当の非課税限度額が引き上げられること、教育資金の一括贈与に係る非課税措置が令和8年3月31日で終了することなどが挙げられます。

また、高所得者への課税強化として、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置では、特別控除額が3億3,000万円から1億6,500万円に引き下げられ、税率も22.5%から30%に引き上げられます。

<まとめ>

令和8年度税制改正は改正項目が多岐にわたり、個人・法人問わず幅広い影響があります。特に年収の壁の引き上げに伴う給与計算の見直し、賃上げ促進税制の変更、インボイス経過措置の確認は、多くの中小企業にとって早めの対応が求められるポイントです。

税制改正への対応、お気軽にご相談ください。

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※本記事は令和8年度税制改正大綱および閣議決定された法案に基づき、情報提供を目的として一般的な概要をまとめたものです。国会審議の過程で内容が変更される可能性があります。

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