国税庁、令和6年分の譲渡所得・贈与税申告状況を公表 過去最高の所得額と相続時精算課税の利用拡大
国税庁、令和6年分の譲渡所得・贈与税申告状況を公表
過去最高の所得額と相続時精算課税の利用拡大
国税庁は5月30日、「令和6年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等」(令和7年3月末までの申告分)を公表しました。
これにより、土地等および株式等の譲渡所得が平成15年以降過去最高を記録し、また贈与税では相続時精算課税制度の利用が大幅に増加していることが明らかになりました。
令和6年分の土地等・株式等の譲渡所得申告状況
令和6年分の譲渡所得は、土地等および株式等ともに大幅な増加を見せ、平成15年以降で過去最高額となりました。
- 土地等の譲渡所得は、6兆4,993億円(前年比6.8%増)
- 株式等の譲渡所得は、8兆854億円(前年比42.7%増)
(出典:国税庁HP「令和6年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について (報道発表資料) 」)
特に株式等の譲渡所得は4割を超える伸び率を示しており、近年の市場動向が反映された結果と言えるでしょう。
令和6年分の贈与税申告状況
令和5年度税制改正で創設された相続時精算課税制度の基礎控除等の新制度が適用された初の申告状況が注目されました。
- 贈与税の申告納税額は、3,935億円(前年比10.9%増)となり、前年に引き続き過去最高額を更新しました。
制度の内訳を見ると、以下のような変化がありました。
- 暦年課税を適用した申告人員が、前年比で1割以上減少。
- 一方で、相続時精算課税を適用した申告人員は、前年比で6割増と大幅に増加しました。
この結果は、令和5年度税制改正による相続時精算課税制度の見直し(基礎控除110万円の創設など)が、贈与税の申告行動に大きな影響を与えていることを明確に示しています。
相続・贈与に関する税制改正への関心の高さと、新制度の活用が今後も進む可能性がうかがえます。
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