社長の退職金準備について
自営業を行っていると退職金は自分で積み立てていかないといけません。
社長の退職金を法人で準備する方法として、代表的な 生命保険・証券会社で株の積立・現金で貯める の3つをメリット・デメリットで比較しました。
① 生命保険で積み立てる
メリット
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保険料の一部が損金算入でき、法人税の節税効果がある(※商品による)。
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万一(死亡・高度障害)時には退職金代わりに死亡保険金でカバー可能。
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口座引落のため手間がかからない。
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計画的に資金を積み立てやすい。
- 商品によっては運用益が期待できる。
デメリット
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返戻率が低い商品も多く、商品の選択に要注意。
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解約時期を誤ると元本割れの可能性。
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保険料負担が重く、資金繰り悪化のリスク。
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法改正により節税効果が限定的になってきている。
② 証券会社で株式などを積立購入
メリット
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ドルコスト平均法により運用益を得られる可能性が高い(インフレに強い)。
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配当で現金より高いリターンの可能性。
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運用方法の自由度が高い(株・投信・債券など)。
- 資金が必要になったときにすぐ換金できる。
デメリット
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元本保証がなく、運用成績次第で退職金が安定しない(退職時に株価が下落している可能性がある)。
- 毎月証券口座に資金移動する手間がかかる。
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法人名義口座では税務処理(譲渡益課税、配当課税)が複雑。
- 法人税の節税効果はない。
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短期的な株価変動で経営に悪影響を与える可能性。
③ 現金で社内に積立(内部留保)
メリット
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元本割れリスクがない。
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いつでも自由に引き出せるため、資金流動性が高い。
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会計処理がシンプル。
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安定した退職金原資の確保ができる。
デメリット
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法人税の節税効果はない。
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インフレで実質的な価値が目減りする。
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目的外(運転資金など)で使ってしまうリスク。
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運用益は利息のみで期待できない。
🔎 まとめ
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安定重視・節税も少し考える・手間をかけたくない → 生命保険
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資産運用で増やしたい・リスク許容度あり → 証券(株など)
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シンプル・安全重視 → 現金積立
社長の年齢・退職予定時期・法人の資金繰り・リスク許容度によって最適解は変わります。
詳しくはお問い合わせください。