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小規模事業者持続化補助金2026|第20回は11月5日受付開始と最大250万円

小規模事業者持続化補助金第20回の受付開始日と補助上限を解説する記事のアイキャッチ画像
SUMMARYこの記事の要点3点
  • 1ポイント1:小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回は、申請受付開始が令和8年11月5日、締切が12月15日です。補助上限は50万円、補助率は3分の2です。
  • 2ポイント2:対象は従業員数が商業・サービス業で5人以下、製造業その他で20人以下の小規模事業者です。インボイス特例と賃金引上げ特例を積むと補助上限は最大250万円になります。
  • 3ポイント3:経営計画は商工会・商工会議所の支援を受けて自ら作る建て付けです。受付開始まで残り2か月弱の今こそ相談を始めるべき時期です。

販路開拓に使える補助金として最も広く利用されているのが、小規模事業者持続化補助金です。中小企業庁は令和8年5月27日に<一般型・通常枠>第20回の公募要領を公開しており、申請受付は令和8年11月5日から12月15日までとされています。さらに令和8年9月4日には、最低賃金引上げに対応する支援策のなかで持続化補助金を柱の一つに位置づける発表もありました。この補助金は経営計画を事業者自らが作り、商工会・商工会議所の支援を受けて申請する建て付けです。つまり受付開始日に間に合わせるには、9月から10月にかけての準備が実質的な勝負になります。本記事では中小企業庁の公表資料に基づき、補助上限と2つの特例、対象経費、他の枠の日程、そして補助金を受けたあとの税務上の注意点まで整理します。

制度の概要と第20回公募の内容

小規模事業者持続化補助金を公募する中小企業庁を表す官公庁の建物のイラスト

制度の目的と対象者

中小企業庁「小規模事業者持続化補助金について」は、この補助金の概要を「地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組を支援します」と説明しています。<通常枠>の概要資料(令和8年5月27日時点版)は事業目的をさらに具体的に示し、「小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等を支援」するとしています。

対象となる小規模事業者の範囲は、同資料の注記により「従業員数が『商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)』の場合5人以下、製造業またはそれ以外の業種の場合20人以下である事業者」とされています。宿泊業と娯楽業が商業・サービス業から除かれる結果、これらの業種は20人以下の基準で判定されます。自社がどちらの基準に当たるかを取り違えると申請の土台が崩れますので、最初に確認しておきたい点です。

第20回公募のスケジュール

<通常枠>概要資料の【第20回公募スケジュール】は、公募要領公開が5月27日(水)、申請受付開始が11月5日(木)、申請受付締切が12月15日(火)と記載しています。中小企業庁の補助金公募情報の一覧でも、<一般型・通常枠>(第20回)の申請受付期間は11月5日から12月15日と示されています。予算の裏付けは令和7年度補正予算です。

受付期間は41日間
11月5日から12月15日までは41日間です。この間に経営計画を作り、商工会・商工会議所の支援を受け、必要書類をそろえる必要があります。<通常枠>概要資料が示す事業の流れは「事前準備(事業計画の作成/商工会・商工会議所へ相談)→公募受付開始→公募締切→事業計画審査→採択者決定→見積書等の提出→交付申請・決定→補助事業開始・事業実施→実績報告→確定検査→補助額の確定→補助金の請求→補助金の支払い→事業化状況報告」となっており、事前準備が最初の工程に置かれていることが読み取れます。

補助上限と補助率

<通常枠>の補助上限は50万円、補助率は3分の2です。同資料は補助上限について「50万円(特例を活用した場合は最大250万円)」とし、補助率については「2/3(賃金引上げ特例活用事業者のうち赤字事業者については3/4)」と記載しています。赤字事業者が賃金引上げ特例を使う場合に限って補助率が4分の3へ上がる建て付けです。

あわせて同資料は関連融資制度として「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」を挙げ、補助対象経費の資金調達に活用できる無担保・無保証の融資制度で限度額は2,000万円と説明しています。融資の利用には一定の要件・審査があり、要件の例として「最近1年以上同一地区内で事業を行っていること等」が示されています。補助金は原則として後払いですので、つなぎ資金の手当てを同時に考えておく必要があります。

小規模事業者への実務影響

持続化補助金による小規模事業者の販路開拓と成長を表す新芽のイラスト

2つの特例で補助上限は最大250万円

補助上限を引き上げる特例は2つあります。<通常枠>概要資料によると、インボイス特例は要件を満たす場合に補助上限額へ50万円を上乗せし、対象は「免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者」です。賃金引上げ特例は要件を満たす場合に150万円を上乗せし、対象は「従業員1人あたりの給与支給総額が年平均3.0%以上増加した事業者」です。基本の50万円に2つの特例を積み上げると250万円となり、資料が示す「最大250万円」と一致します。

区分上乗せ額要件
基本の補助上限50万円-
インボイス特例+50万円免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者
賃金引上げ特例+150万円従業員1人あたりの給与支給総額が年平均3.0%以上増加した事業者
合計(特例をすべて活用)最大250万円上記2要件をいずれも満たす場合

対象経費は8つ

<通常枠>概要資料が挙げる【対象経費】は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8つです。ホームページの制作や改修が「ウェブサイト関連費」として、チラシやカタログの作成が「広報費」として位置づけられており、設備投資に限らず販路開拓の取組全般が視野に入っていることが分かります。同資料は活用事例として、観光ぶどう園を有する喫茶店がフリーズドライ製品の販売に向けてパッケージデザインやリーフレットを作成し、高級スーパー等の新たな販路への商談に活用した例も紹介しています。

経費の内訳は交付申請の段階で改めて求められます
<通常枠>概要資料は「申請時点で明らかではない経費については、交付申請・決定の段階時点で、事業に要する経費の詳細内訳を改めて求めます」とし、さらに「事後で対象外経費が含まれていることが判明した場合はお支払いができませんので、申請時点でよくご確認ください」と注意しています。採択されれば全額が確実に入るわけではありません。対象経費の範囲は申請前に確認しておくべきものです。

通常枠以外の枠と日程

持続化補助金には複数の枠があり、日程もそれぞれ異なります。中小企業庁の補助金公募情報の一覧によると、現時点で公表されている枠と申請受付期間は次のとおりです。

枠申請受付期間補助上限
一般型・通常枠(第20回)11月5日~12月15日50万円(特例活用で最大250万円)
創業型(第4回)11月5日~12月15日200万円(特例活用で最大250万円)
一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震・1次)9月16日~10月16日-
一般型・災害支援枠(令和6年能登地震・10次)7月27日~10月16日-
共同・協業型(第3回)8月14日~9月30日-

災害支援枠は被災地域の事業者を対象とする枠です。中小企業庁は令和8年9月9日に「小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>(1次)」の公募要領を公開し、「令和8年熊本地震により被害を受けた小規模事業者等が行う事業再建の取組を支援します」として、申請は令和8年9月16日から受け付けると告知しました。通常枠が販路開拓の取組を支援するのに対し、災害支援枠は事業再建に軸を置いている点が異なります。

とくに注目したいのが創業型です。<創業型>の概要資料(令和8年5月27日)は、対象を「創業後1年以内の小規模事業者」とし、補助上限を「200万円(特例を活用した場合は最大250万円)」、補助率を3分の2としています。通常枠の50万円に対して創業型は200万円ですから、創業後1年以内であれば創業型の検討が優先されます。同資料は関連融資制度として日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」を挙げ、限度額7,200万円、返済期間は設備資金20年以内、運転資金は原則10年以内としています。

当事務所の見解・実務上の注意点

持続化補助金の通常枠と創業型を比較して選ぶことを表す天秤のイラスト

「最大250万円」に届く事業者は限られます

広告や解説記事では「最大250万円」という数字が前に出ますが、実務では冷静に見る必要があります。250万円に届くには、インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)の両方を満たさなければなりません。ところがインボイス特例の対象は「免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者」です。すでに課税事業者として登録している事業者や、もともと課税事業者だった事業者はこの要件に当たりません。

したがって、数年前にインボイス登録を済ませている多くの既存事業者にとって、現実的な上限は賃金引上げ特例のみを活用した200万円、特例を使わなければ50万円ということになります。申請の検討にあたっては、まず自社がどの水準を狙えるのかを見極めることをおすすめします。なお賃金引上げ特例は「従業員1人あたりの給与支給総額が年平均3.0%以上増加した事業者」が対象ですから、賃上げの実績や計画と補助金の申請を切り離さずに考えることが有効です。堺市の税務顧問としてご相談を受ける際も、給与データの推移を確認しながら特例の可否を検討しています。

最低賃金の引上げと同じ流れの中にあります

この補助金は単独の施策ではありません。経済産業省が令和8年9月4日に公表した「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策」は、「9月3日(木曜日)に、今年度の最低賃金について、すべての都道府県の地方最低賃金審議会で取りまとめられました。全国加重平均については、1,177円となりました」としたうえで、「予算・税制面では、最低賃金引上げの影響を受ける中小企業・小規模事業者に対する販路開拓等の支援として、持続化補助金等により支援を行っていく」と述べています。賃上げ対応と販路開拓を一体で考えるという政策の方向が示されており、賃金引上げ特例の存在もこの文脈で理解できます。

補助金が確定したときの税務処理に注意

採択されたあとに見落とされやすいのが税務処理です。国庫補助金等で固定資産を取得した場合の圧縮記帳について、法人税基本通達10-2-1の(注)は「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第15条《補助金等の額の確定等》の規定により交付すべき補助金等の額が確定し、その旨の通知を受けた国庫補助金等は、返還を要しないことが確定した国庫補助金等に該当する」としています。持続化補助金の流れでは「確定検査」を経て「補助額の確定」に至りますので、この通知を受けた時点が税務上の判断の起点になります。

また同通達10-2-1は、交付の条件に違反した場合には返還しなければならないこと、一定期間内に相当の収益が生じた場合には返還しなければならないことといった一般的条件が付されていることは、返還を要しないことが確定しているかどうかの判定には関係がないとしています。一般的な返還条項が付いているだけでは「未確定」とはならないという趣旨です。決算をまたぐ案件では、確定通知の日付を必ず保管しておいてください。

今すぐやるべきこと

小規模事業者持続化補助金第20回の申請締切までの時間を表す砂時計のイラスト

11月5日の受付開始に間に合わせるために、今月から着手すべき手順を4段階で整理します。

  1. ステップ1:小規模事業者の要件に当てはまるかを確認する
    従業員数が、商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)なら5人以下、製造業またはそれ以外の業種なら20人以下であるかを確認します。宿泊業と娯楽業は商業・サービス業から除かれるため20人以下の基準で判定します。境界線上にある場合は、公募要領で従業員数の数え方を必ず確認してください。
  2. ステップ2:狙う枠と補助上限を決める
    創業後1年以内であれば補助上限200万円の創業型を優先して検討します。それ以外は通常枠です。そのうえで、免税事業者からインボイス発行事業者になった実績があるか、従業員1人あたりの給与支給総額が年平均3.0%以上増加しているかを確認し、上乗せできる特例を見極めます。
  3. ステップ3:商工会・商工会議所へ相談を始める
    この補助金は商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を策定する制度です。管轄は商工会地区と商工会議所地区に分かれており、事務局も別です。中小企業庁のページで自社の管轄と問い合わせ先を確認し、受付開始前の9月から10月のうちに相談の予約を入れてください。
  4. ステップ4:対象経費の見積りを先に固める
    機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8区分に沿って、実施したい取組を経費区分ごとに整理します。交付申請・決定の段階で詳細内訳を改めて求められ、対象外経費が判明すると支払われません。見積書を早めに取得し、区分の当てはめを確認しておくことが安全です。
  • ☑ 従業員数の要件を業種区分に沿って確認した
  • ☑ 通常枠と創業型のどちらで申請するか決めた
  • ☑ インボイス特例・賃金引上げ特例の可否を確認した
  • ☑ 商工会または商工会議所へ相談の連絡をした
  • ☑ 取組内容を8つの経費区分に整理した
  • ☑ つなぎ資金の手当て(マル経融資等)を検討した

よくある質問

Q. 第20回の申請はいつからいつまでですか?
A. 中小企業庁の<通常枠>概要資料および補助金公募情報の一覧によると、<一般型・通常枠>第20回の申請受付開始は令和8年11月5日(木)、申請受付締切は令和8年12月15日(火)です。公募要領は令和8年5月27日に公開されています。なお同じ日程で<創業型>第4回の申請受付も行われます。災害支援枠や共同・協業型は日程が別に設定されていますので、自社が使う枠の日程を個別に確認してください。
Q. 補助上限は本当に250万円もらえるのですか?
A. 基本の補助上限は50万円で、250万円はインボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)の両方を活用した場合の最大額です。インボイス特例の対象は「免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者」ですので、すでに課税事業者である場合はこの上乗せを使えません。自社が満たせる特例を確認したうえで見込額を考えてください。また補助率は3分の2ですので、補助上限まで受けるには上限の1.5倍の対象経費が必要になります。上限50万円なら75万円、200万円なら300万円の経費規模が前提になる計算です。
Q. 創業したばかりですが通常枠と創業型のどちらを選べばよいですか?
A. 中小企業庁の<創業型>概要資料は対象を「創業後1年以内の小規模事業者」とし、補助上限を200万円(特例を活用した場合は最大250万円)としています。通常枠の基本上限50万円と比べて上限が大きいため、創業後1年以内であれば創業型の検討が優先されます。申請受付期間はいずれも11月5日から12月15日までで同じです。ただし創業型は「創業後1年以内」という時期の制約がありますので、創業日から1年を超える見込みであれば通常枠での申請を前提に準備を進めることになります。
Q. 補助金が入金されるのはいつになりますか?
A. <通常枠>概要資料が示す流れでは、採択者決定のあと交付申請・決定を経て補助事業を実施し、実績報告、確定検査、補助額の確定、補助金の請求を経てから補助金の支払いに至ります。つまり経費の支出が先で入金は後になります。同資料は関連融資制度として無担保・無保証で限度額2,000万円のマル経融資を挙げていますので、つなぎ資金の検討も併せて行ってください。
Q. 採択されれば申請した経費は全額対象になりますか?
A. そうとは限りません。<通常枠>概要資料は「申請時点で明らかではない経費については、交付申請・決定の段階時点で、事業に要する経費の詳細内訳を改めて求めます」としたうえで、「事後で対象外経費が含まれていることが判明した場合はお支払いができませんので、申請時点でよくご確認ください」と注意しています。対象経費の範囲は申請前に確認することが重要です。対象経費は機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8区分ですので、実施したい取組がどの区分に当たるかを見積書の段階で整理しておくと、交付申請での手戻りを避けられます。

参考資料・出典

本記事は道濟会計事務所が監修しました。




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