無料相談を予約する

072-200-3579

受付時間:月〜金 9:00〜17:00

大阪で顧問税理士をお探しの方は道濟会計事務所へ

青色事業専従者給与2026|届出期限と配偶者控除を選ぶ判断基準

青色事業専従者給与の届出期限と配偶者控除の判断基準を解説する記事のタイトル画像
SUMMARYこの記事の要点3点
  • 1ポイント1:青色申告者が、生計を一にする15歳以上の配偶者などで専ら事業に従事する人に支払う給与は、届出書の範囲内で相当な金額であれば必要経費にできます(所得税法第57条)。
  • 2ポイント2:専従者給与を受けた配偶者や親族は、同一生計配偶者や扶養親族になれません。その年に一度でも給与を払うと、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の対象外になります。
  • 3ポイント3:届出の期限は原則としてその年の3月15日で、増額や専従者の追加は変更届出書を遅滞なく出します。年末までに来年の支給方針を決め、届出と業務記録を整えましょう。

個人事業では、配偶者や子どもが経理や接客を手伝っていることがよくあります。家族に給与を払えば事業の経費になる、と考えがちですが、所得税では生計を一にする親族への給与は原則として必要経費になりません。例外として認められているのが、青色申告者の青色事業専従者給与と、白色申告者の事業専従者控除です。

ただし、専従者給与を受けた家族は配偶者控除や扶養控除の対象から外れるため、給与を払うことが必ずしも家計全体で有利とは限りません。本記事では、国税庁のタックスアンサーと手続案内に沿って、要件、届出の期限、控除との関係、税務調査で問題になりやすい点を解説します。

青色事業専従者給与とは:制度の概要と4つの要件

青色事業専従者給与の制度の概要を表す家族経営の店舗の模型

家族への給与は原則として必要経費にならない

国税庁のタックスアンサーNo.2075は、納税者と生計を一にしている配偶者その他の親族が、納税者の経営する不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき事業に従事している場合に支払う給与は、原則として必要経費にはならないと説明しています。そのうえで、次の特別の取扱いが認められています。

  • ☑ 青色申告者に係る青色事業専従者給与:支払った金額のうち、相当であると認められる金額を必要経費とすることができる
  • ☑ 白色申告者に係る事業専従者控除:配偶者は最高86万円、15歳以上のその他の親族は最高50万円を必要経費として差し引くことができる

根拠法令等は、所法2、56、57、所令164、165、所規36の4と示されています。なお、不動産所得の場合は、不動産貸付けが事業として行われている場合に限り適用があります。

青色事業専従者給与の4つの要件

No.2075は、青色事業専従者給与として認められる要件を次の4つとしています。

  1. 青色事業専従者に支払われた給与であること。青色事業専従者とは、青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族で、その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であり、その年を通じて6か月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事している人をいいます。
  2. 「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。
  3. 届出書に記載されている方法により支払われ、かつ、その記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
  4. 青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。過大とされる部分は必要経費とはなりません。

No.2075は、青色事業専従者給与の対象となる親族から15歳未満の人を除くと明記しています。年齢はその年の12月31日現在で判定するため、年の途中で15歳になる子どもも、年末時点で15歳以上であれば年齢の要件を満たします。

届出の期限

届出書の提出期限は、青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日です。その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合や、新たに専従者がいることとなった場合は、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内です。国税庁の手続案内A1-10は、e-Taxでの提出のほか、書面で作成して持参又は送付により提出することもできるとしています。届出書に記載した内容とは別に給与規程を定めているときは、その写しを添付します。

No.2075によれば、届出書には青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額、支給期などを記載します。A1-10の審査基準は、青色事業専従者の要件に該当しない者を届け出ていないか等を審査するとしており、年齢の要件は、その年12月31日現在(専従者又は青色申告者が年の中途で死亡した場合には、それぞれ死亡当時)で判定します。手続根拠は所得税法第57条、変更届出の手続根拠は所得税法施行令第164条です。

個人事業主への実務影響:配偶者控除・扶養控除との関係

家族従業員と配偶者控除・扶養控除の関係を表すエプロン

専従者給与を受けると配偶者控除・扶養控除の対象外になる

実務上もっとも影響が大きいのが、所得控除との関係です。No.2075は、青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人または白色申告者の事業専従者である人は、同一生計配偶者や扶養親族にはなれないとしています。

配偶者控除(No.1191)と扶養控除(No.1180)の要件には、いずれも、青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないことが含まれています。配偶者特別控除(No.1195)も、その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないことが要件です。年の途中に1回でも専従者給与を払えば、その年は配偶者控除も配偶者特別控除も受けられないということです。

令和8年分の配偶者控除の所得要件

配偶者控除の対象となる配偶者の年間の合計所得金額は、62万円以下(給与のみの場合は給与収入が136万円以下)とされています。この金額は、令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用される金額です。配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下の場合に受けられます。また、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

配偶者控除の額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円以下であれば38万円(老人控除対象配偶者は48万円)、900万円超950万円以下は26万円(32万円)、950万円超1,000万円以下は13万円(16万円)です。専従者給与を払うかどうかは、この控除額と比べて判断することになります。

3つの取扱いの比較

項目青色事業専従者給与事業専従者控除(白色)配偶者控除
対象青色申告者白色申告者控除対象配偶者がいる納税者
金額届出書の範囲内で、労務の対価として相当な金額配偶者は86万円、その他の親族は1人50万円と、控除前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額の低い方本人の合計所得金額に応じて最高38万円(老人控除対象配偶者は48万円)
手続届出書の提出が必要確定申告書に控除を受ける旨や金額などを記載確定申告または年末調整
控除との関係受けた人は同一生計配偶者・扶養親族になれない専従者は同一生計配偶者・扶養親族になれない専従者給与を一度も受けていないことが要件

他の家族の専従者になっている場合

見落としやすいのが、配偶者が自分以外の家族の事業で専従者になっている場合です。国税庁の質疑応答事例(青色事業専従者である妻)は、会社員Aの妻Bが、生計を一にする父Cの青色事業専従者として給与を受けている事例で、AはBを控除対象配偶者とすることができないと回答しています。いったん生計を一にする他の者の事業専従者となった者については、その年において控除対象配偶者とすることはできないという理由です。会社員の年末調整で配偶者控除を申告する際にも、確認が必要な点です。

子どもや親を専従者にする場合

扶養控除も同じ扱いです。15歳以上の子どもや同居の親を専従者として給与を払えば、その年はその人を扶養控除の対象にできません。扶養控除の対象となる扶養親族の年間の合計所得金額について、No.1180は、令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用される金額を62万円以下としています。

白色の事業専従者に他の給与がある場合

国税庁の質疑応答事例は、源泉徴収の対象とならない白色事業専従者に係るいわゆるみなし給与の給与所得のほかに、源泉徴収の対象とされる給与等の金額を有する人について、確定申告を要すると回答しています。家族がパート先からも給与を受けている場合は注意が必要です。

当事務所の見解・専従者給与で否認されないための注意点

専従者給与の相当性を確認する注意点を表す天秤

年の途中で支給を始める前に、控除への影響を試算する

専従者給与は、支払った年の配偶者控除などを失わせます。秋以降に事業が忙しくなり、家族に手伝ってもらった分を年内に払いたいという相談をよく受けますが、支払う前に、専従者給与による必要経費の増加と、配偶者控除や扶養控除を失うことによる影響を比べる必要があります。家族の側でも給与の支払を受けることになるため、世帯全体の税額で比較するのが当事務所の基本的な考え方です。社会保険や住民税への影響も含め、毎年の決算前に見直しています。

届出の内容どおりに支払い、記録を残す

必要経費になるのは、届出書に記載した方法と金額の範囲内で支払われた給与だけです。記載要領は、給与規程を変更する場合や通常の昇給のわくを超えて給与を増額する場合、新たに専従者が加わった場合には、遅滞なく変更届出書を提出するよう求めています。賞与を払う場合も、届出書の賞与欄に支給期や金額の基準を書いておく必要があります。

金額の相当性は、専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその程度、事業に従事する他の使用人の給与や同種同規模の事業に従事する者の給与の状況、事業の種類・規模及び収益の状況から判断されます。記載要領の記載例も、仕事の内容に加えて毎日5時間従事のような従事の程度を書くよう示しています。当事務所では、勤務日と業務内容を簡単な日報や出勤簿で残しておくことをお勧めしています。税務調査では、届出書の記載と実際の働き方が合っているかが確認されるためです。

年の途中から加わった家族の届出漏れ

退職した子どもが年の途中から事業を手伝う場合、質疑応答事例は、従事可能期間の2分の1を超える期間専ら従事していれば専従者に当たるとしています。ただし、その場合も専従者とした日から2か月以内の届出が必要です。家族の就職や退職があった年は、届出の期限を必ず確認してください。

専ら従事していない期間の給与は経費にならない

専従者が他に職業を有している場合や就学している場合は、届出書のその他参考事項の欄に記載します。また、質疑応答事例(区画整理事業により休業する期間の青色事業専従者給与)は、休業期間中に支払われる給与は労務の対価としての性質を有していないので必要経費に算入されないとし、事業に従事しない親族に対してなされる給付は、労務の対価としての性質を有するものでない限り贈与税の対象になるとしています。

家族への給与の金額設定や、配偶者控除との有利不利の試算に迷う場合は、早めに専門家へご相談ください。当事務所の堺市の個人事業主向け税理士サービスでも、届出書の作成から確定申告まで対応しています。

今すぐやるべきこと:年末までの5ステップ

青色事業専従者給与の年末までの確認手順を表す階段状のブロック

  1. ステップ1:今年の専従者給与の支給状況を確認する
    税務署に提出した届出書や変更届出書の控えを見直し、届け出た専従者、支給方法、金額の範囲と、今年実際に支払った金額を突き合わせます。届出の範囲を超えて支払っている場合は、超えた部分が必要経費にならない点を確認します。給与の振込記録や受領書も一緒に整理し、支給日が届出書の支給期と合っているかも確認します。
  2. ステップ2:配偶者控除・扶養控除との有利不利を試算する
    まだ今年の支給を始めていない家族については、専従者給与を払う場合と払わない場合で、事業主と家族それぞれの所得と控除を並べて比較します。令和8年分は配偶者控除の所得要件が62万円以下になっていることも踏まえて判断します。配偶者特別控除の対象になるかどうかも、あわせて確認します。
  3. ステップ3:来年の支給方針を決め、届出書を準備する
    新たに専従者給与を払う場合は、その年の3月15日までに届出書を提出します。年の途中で家族が事業に加わった場合は、その日から2か月以内です。届出書には職務の内容、給与の金額、支給期を記載し、賞与を払う場合はその基準も書きます。金額は、従事の程度や他の使用人の給与と比べて説明できる水準に設定します。
  4. ステップ4:増額や専従者の追加は変更届出書を出す
    通常の昇給の枠を超える増額、給与規程の変更、専従者の追加があるときは、変更届出書を遅滞なく提出します。給与規程を定めている場合はその写しを添付します。提出はe-Taxのほか、書面で持参又は送付することもできます。支給額を変えた月より前に提出しておくと、届出の範囲を超える支払を防げます。
  5. ステップ5:従事の実態を記録し、年末調整と申告に備える
    勤務日、業務内容、従事時間を日報や出勤簿で記録し、他の仕事や通学の有無も確認します。家族が会社員の配偶者の年末調整で控除を申告する予定がないかも、あわせて確認します。他の家族の事業の専従者になっている人も同様です。

よくある質問

Q. 家族にアルバイト程度の手伝いを頼んだ場合も専従者給与になりますか?
A. 青色事業専従者は、その年を通じて6か月を超える期間、事業に専ら従事している人です。たまに手伝う程度では要件を満たさず、届出がない給与は原則として必要経費になりません。家族への給与を経費にしたい場合は、従事の実態を整えたうえで届出書を提出してください。白色申告の場合は、事業専従者控除の要件を確認します。
Q. 届出書の提出を忘れた年の給与は経費になりますか?
A. なりません。青色事業専従者給与は、届出書を納税地の所轄税務署長に提出していることが要件です。期限は必要経費に算入しようとする年の3月15日で、その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その日から2か月以内です。翌年分から適用できるよう早めに提出しましょう。
Q. 配偶者に専従者給与を払うと配偶者控除はどうなりますか?
A. 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人は、同一生計配偶者や扶養親族になれません。配偶者控除の要件は、その年を通じて一度も専従者として給与の支払を受けていないことです。年の途中で1回でも払えば、その年は配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。支給を始める前に、世帯全体の税額への影響を試算しましょう。
Q. 会社を退職した子が年の途中から手伝う場合も対象になりますか?
A. 国税庁の質疑応答事例では、就職や退職など相当の理由で事業に従事できなかった期間がある場合、従事可能期間の2分の1を超える期間専ら従事していれば足りるとされています。この場合も、専従者とした日から2か月以内に届出書(変更届出書)を提出しなければなりません。退職日と手伝い始めた日を記録しておきましょう。
Q. 専従者給与の金額はいくらまで認められますか?
A. 上限額の定めはなく、労務の対価として相当であると認められる金額です。労務に従事した期間、労務の性質及びその程度、他の使用人や同種同規模の事業に従事する者の給与の状況、事業の種類・規模及び収益の状況から判断されます。過大とされる部分は必要経費になりません。同じ仕事をする従業員の給与と比べて説明できる金額にしておくことが大切です。
Q. 白色申告の場合は家族への給与をどう扱いますか?
A. 白色申告者は家族への給与を必要経費にできませんが、事業専従者控除を受けられます。金額は、配偶者であれば86万円、配偶者でなければ1人につき50万円と、控除前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額のいずれか低い金額です。確定申告書に必要な事項を記載します。
Q. 専従者がパートで他の会社からも給与をもらっている場合は問題ですか?
A. 他に職業を有している場合や就学している場合は、届出書のその他参考事項の欄に記載します。他の仕事の時間が長いと、専ら事業に従事しているといえるかが問われます。また白色事業専従者が他に源泉徴収の対象となる給与等を有する場合、確定申告を要するとした質疑応答事例もあります。

参考資料・出典

本記事は道濟会計事務所が監修しました。




この記事に関するご相談は道濟会計事務所へ(初回相談無料)

確定申告や記帳でお困りの個人事業主・フリーランスの方は、堺市の道濟会計事務所にご相談ください。 堺東駅徒歩1分・オンライン対応で全国からご相談いただけます。

個人事業主・フリーランス向けサービスを見る無料相談を申し込む

堺市の税理士 道濟会計事務所|堺東駅徒歩1分
代表税理士 道濟寛樹(税理士登録番号 第152615号・近畿税理士会所属)
〒590-0075 大阪府堺市堺区南花田口町2-3-20 三共堺東ビル6階|TEL 072-200-3579(平日9:00〜17:00)
税務顧問・相続税申告・会社設立・経理代行・料金一覧
対応エリア: 堺区・中区・北区・東区・西区・南区・美原区・堺東駅周辺

新着お知らせ