堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
扶養控除2026|年末調整で確認する国外居住親族の書類と同居老親の判定
SUMMARYこの記事の要点3点
- 1ポイント1:扶養控除の控除額は、一般の控除対象扶養親族38万円、特定扶養親族63万円、老人扶養親族48万円、同居老親等58万円です。令和8年分の扶養親族の所得要件は合計所得金額62万円以下です。
- 2ポイント2:国外居住親族は、30歳以上70歳未満の人は留学・障害者・38万円以上の支払のいずれかに当たる場合に限り対象となり、親族関係書類や送金関係書類の提出又は提示が必要です。
- 3ポイント3:年末調整の前に、扶養控除等(異動)申告書の生年月日・所得・同居の状況と添付書類を確認しましょう。
CONTENTS目次
年末調整では、従業員から回収した扶養控除等(異動)申告書をもとに扶養控除を計算します。令和8年分は扶養親族の所得要件が改正されているため、家族の年齢や所得の確認はもちろん、海外に住む家族を扶養に入れている従業員や、親と同居している従業員がいる場合には、書類や判定の確認が欠かせません。
本記事では、国税庁タックスアンサーNo.1180とそのQ&A、令和8年分の年末調整のしかたをもとに、扶養控除の基本と、特に誤りやすい国外居住親族と同居老親等の確認点を整理します。
扶養控除の概要:控除額と扶養親族の要件
扶養控除の控除額
No.1180は、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に一定の金額の所得控除が受けられ、これを扶養控除というと説明しています。控除額は扶養親族の年齢、同居の有無等により次のとおりです。
| 区分 | 年齢(令和8年分の生年月日) | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上(平成23年1月1日以前に生まれた人) | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満(平成16年1月2日から平成20年1月1日までの間に生まれた人) | 63万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等以外の者) | 70歳以上(昭和32年1月1日以前に生まれた人) | 48万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上で、所得者等の直系尊属で同居を常況としている人 | 58万円 |
生年月日は令和8年分の年末調整のしかたの記載によるものです。年齢は本年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合などは、その死亡の時の現況で判定します。
扶養親族に当たる人
令和8年分の年末調整のしかたによると、扶養親族とは、所得者と生計を一にする親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で、合計所得金額が62万円以下の人をいいます。ここでいう親族とは、6親等内の血族と3親等内の姻族をいい、いわゆる里子や養護老人で要件を満たす人も扶養親族に含まれます。
所得の目安として、給与所得だけの場合は本年中の給与の収入金額が136万円以下、公的年金等に係る雑所得だけの場合は公的年金等の収入金額が172万円以下(年齢65歳未満の人は122万円以下)であれば、合計所得金額が62万円以下になります。No.1180の本文では58万円以下と表示されていますが、注記で、令和8年12月1日に施行され令和8年分から適用される金額は62万円以下と案内されています。
合計所得金額に含まれない所得
扶養親族の判定に使う合計所得金額は、事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額に、総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額の2分の1の金額などを加えた金額です。一方で、所得税が課されない所得は含まれません。年末調整のしかたは、遺族の受ける恩給や年金(死亡した人の勤務に基づいて支給されるものに限ります)、雇用保険法の規定により支給される失業等給付、生活用動産の売却による譲渡所得、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等を例に挙げています。源泉分離課税とされる利子所得や、確定申告をしないことを選択した一定の配当等、源泉徴収選択口座を通じて行った上場株式等の譲渡による所得等で確定申告をしないことを選択したものも含まれません。扶養親族の所得が内職等による所得だけの場合は、本年中の内職等による収入金額が131万円以下であれば、合計所得金額が62万円以下になります。
16歳未満の子と特定親族の扱い
年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は控除対象扶養親族に該当しません。ただし、扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項欄の記載事項になるため、記載漏れに注意が必要です。また、合計所得金額が62万円超123万円以下の19歳以上23歳未満の親族は、特定扶養親族ではなく特定親族特別控除の対象となる特定親族に該当し、扶養控除の対象にはなりません。
扶養控除で中小企業の年末調整に生じる実務影響
扶養控除等(異動)申告書の提出と異動申告
年末調整は、年末調整を行う時までに扶養控除等(異動)申告書を提出している人について行います。この申告書は、原則として本年最初に給与の支払を受ける時までに提出し、年の中途で源泉控除対象親族の数などに異動があった場合には、その都度異動申告をすることになっています。年末調整のしかたは、次のような事情があった人について、異動申告が行われているかの確認を求めています。
- ☑ 源泉控除対象親族であった人の就職、結婚などにより、その数が減少した
- ☑ 本人が障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に該当することとなった
- ☑ 同一生計配偶者や扶養親族が障害者に該当することとなった
- ☑ 所得要件の改正により、新たに扶養控除等の対象となる扶養親族等を有することとなった
他の申告書との関係
年末調整のしかたは、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けるには配偶者控除等申告書を、特定親族特別控除の適用を受けるには特定親族特別控除申告書を、それぞれ給与の支払者に提出する必要があるとしています。扶養控除等(異動)申告書の源泉控除対象配偶者欄や源泉控除対象親族欄に記載があるかどうかにかかわらず、これらの申告書の提出を受ける必要があります。扶養控除等(異動)申告書に特定扶養親族と記載されている人が、特定親族として特定親族特別控除申告書にも記載されている場合は、どちらに該当するかを確認し、控除誤りのないよう注意してください。
また、扶養控除等(異動)申告書には給与所得者本人と源泉控除対象親族等のマイナンバー(個人番号)を記載することとされており、給与の支払者は本人確認(番号確認+身元確認)を行う必要があります。一定の要件のもとで記載を省略できる場合もあります。
判定は年末調整を行う日の現況で行う
控除対象扶養親族に当たるかどうかは年末調整を行う日の現況により判定し、判定の要素となる合計所得金額は、その日の現況で見積もった本年1月1日から12月31日までの合計所得金額で判断します。控除対象扶養親族などが本年の中途で死亡した場合でも、死亡の日の現況により判定するため、本年分は扶養控除の対象になります。年末調整の後、12月31日までに控除対象扶養親族の増加などの異動があった場合は、年末調整のやり直しをすることができます。
生計を一にするかどうかの確認
No.1180のQ&Aによると、生計を一にするとは必ずしも同居を要件とするものではありません。勤務、修学、療養等の都合上別居している場合でも、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、生計を一にするものとして取り扱われます。また、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、生計を一にするものとして取り扱われます(所基通2-47)。同居している家族は原則として生計を一にすると考えてよいでしょう。
地方に住む両親を扶養している旨の申告書が提出された場合について、同じQ&Aは、法令上、源泉徴収義務者に対して証明書類等の提出までは必要とされていないとしたうえで、正しい扶養控除の計算を行うため、銀行振込や現金書留による送金の事実を振込票や書留の写しなどの提示を受けて確認することを勧めています。
兄弟で同じ親を扶養している場合
郷里の母の生活費を兄弟で送金している場合、扶養控除の対象にできるのは兄弟のうちだれか1人だけで、均等に送金していても重複して控除の対象とすることはできません。従業員の申告書だけでは他の家族の申告状況は分からないため、気になる場合は本人に確認してもらうとよいでしょう。
当事務所の見解:国外居住親族と同居老親等で迷いやすい点
国外居住親族は年齢によって対象が限られる
非居住者である扶養親族は、令和5年分以後、次のいずれかに当たる人に限り控除対象扶養親族になります。年齢16歳以上30歳未満の人、年齢70歳以上の人、年齢30歳以上70歳未満の人のうち留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人、障害者、所得者から本年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人です。No.1180のQ&Aは、これらのいずれにも該当しない30歳以上70歳未満の国外居住親族には扶養控除の適用はないとしています。
必要な書類と提出の時期
| 書類 | 主な内容 | 提出又は提示の時期 |
|---|---|---|
| 親族関係書類 | 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び旅券の写し、又は外国政府等が発行した書類 | 扶養控除等(異動)申告書を提出する際 |
| 留学ビザ等書類 | 留学の在留資格に相当する資格で在留していることを証する外国の査証に類する書類等の写し | 扶養控除等(異動)申告書を提出する際 |
| 送金関係書類 | 金融機関、クレジットカード発行会社、電子決済手段等取引業者の書類又はその写し | 年末調整の際 |
| 38万円送金書類 | 送金関係書類のうち、各人への本年の支払金額の合計額が38万円以上であることを明らかにするもの | 年末調整の際 |
書類が外国語で作成されている場合には、訳文も提出又は提示する必要があります。また、年末調整で国外居住親族に係る扶養控除等を受ける場合は、提出済みの扶養控除等(異動)申告書の生計を一にする事実欄に、その年に送金等をした金額を追記する必要があります。当事務所では、送金関係書類は必要の都度、各人に支払ったことを明らかにするものとされている点を重視しており、まとめて家族の一人に送った記録だけでは足りないことがあると従業員に伝えています。送金関係書類には、金融機関が行う為替取引による支払を明らかにする書類のほか、国外居住親族がクレジットカード発行会社の交付したカードを提示して商品等を購入したことなどにより、その代金に相当する額を所得者から受領することを明らかにする書類も含まれます。海外送金以外の方法で生活費を負担している場合も、どの書類が該当するかを早めに確認しておきましょう。
同居老親等の判定
同居老親等は、老人扶養親族のうち、所得者又はその配偶者の直系尊属で、所得者等のいずれかとの同居を常況としている人です。年末調整のしかたでは、判定の例として次の3つを挙げています。
| 状況 | 判定 |
|---|---|
| 病気などの治療のため入院していることにより別居している | 同居老親等に該当 |
| 同一敷地内の別棟に住み、食事を一緒にするなど日常生活を共にしている | 同居老親等に該当 |
| 所得者の転勤に伴い住所を変更したため別居している | 同居老親等に該当しない |
老人ホームなどへ入所している場合は、その老人ホームが居所になるため同居しているとはいえません。入院と入所で結論が分かれる点は、従業員からの質問が多いところです。
今すぐやるべきこと:扶養控除等申告書の確認手順
年末調整までに、次の手順で扶養控除等(異動)申告書を確認してください。扶養控除額などの計算は源泉徴収簿の記載に基づいて行うため、最後の照合まで済ませておくことが大切です。特に、国外居住親族の送金関係書類は年末調整の際に必要になるため、海外に家族がいる従業員には、12月の給与の締め日よりも前に提出してもらうよう、回収期限を早めに伝えておくと安心です。
- ☑ 全員分の扶養控除等(異動)申告書を回収した
- ☑ 生年月日から控除の区分を確認した
- ☑ 扶養親族の所得の見積額を確認した
- ☑ 国外居住親族の書類と訳文を受け取った
- ☑ 源泉徴収簿との照合を終えた
- ステップ1:扶養控除等(異動)申告書の提出と異動を確認する
全員から本年分の申告書が提出されているかを確かめ、就職・結婚・死亡などで扶養親族に異動があった人の異動申告が済んでいるかを確認します。 - ステップ2:生年月日で控除の区分を確認する
控除対象扶養親族、特定扶養親族、老人扶養親族の区分を生年月日で確認し、16歳未満の子は住民税に関する事項欄に記載されているかを見ます。 - ステップ3:扶養親族の所得を見積もる
年末調整を行う日の現況で、扶養親族の本年の合計所得金額が62万円以下か(給与だけなら給与の収入金額136万円以下か)を本人に確認してもらいます。 - ステップ4:国外居住親族の書類をそろえる
親族関係書類と留学ビザ等書類は申告書の提出の際に、送金関係書類と38万円送金書類は年末調整の際に、訳文も含めて提出又は提示を受けます。 - ステップ5:同居老親等の判定と源泉徴収簿への転記を確認する
老人扶養親族の同居の状況を本人に確認し、申告書の内容が源泉徴収簿の扶養控除等の申告欄に正しく記入されているかを照合します。
従業員の中に個人事業の所得がある人や、年末調整で扶養控除の適用を受けられなかった人がいる場合は、確定申告で対応することになります。ご本人の申告については個人事業主・個人の確定申告のサポートを、会社の年末調整事務全体については堺市の税務顧問をご利用いただけます。
扶養控除についてよくある質問
- Q. 年の途中で亡くなった親も、今年の扶養控除の対象になりますか?
- A. 令和8年分の年末調整のしかたによると、控除対象扶養親族などが本年の中途で死亡した場合でも、死亡の日の現況により判定することになるため、本年分については扶養控除などの控除の対象となります。年齢も死亡の時の現況で判定します。生計を一にしていたことや所得の要件を満たしているかを、死亡の日の現況で確認してください。
- Q. 老人ホームに入所している親は、同居老親等になりますか?
- A. 年末調整のしかたによると、老親等が老人ホームなどへ入所している場合には、その老人ホームが居所となるため、所得者等と同居しているとはいえません。この場合は同居老親等ではなく、同居老親等以外の老人扶養親族として扱われます。一方、病気などの治療のため入院していることにより別居している場合は、同居老親等に該当します。No.1180も、入院による別居が結果として1年以上といった長期にわたる場合でも同居に該当するものとして取り扱って差し支えないとしています。
- Q. 海外に住む30代の親族を扶養控除の対象にできますか?
- A. 年齢30歳以上70歳未満の国外居住親族は、留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人、障害者、所得者から本年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人のいずれかに当たる場合に限り、控除対象扶養親族になります。38万円以上の支払に当たるとして適用を受ける場合は、親族関係書類に加えて38万円送金書類が必要です。
- Q. 兄弟で親に仕送りをしている場合、2人とも扶養控除を受けられますか?
- A. No.1180のQ&Aによると、兄弟のうち、だれか1人だけが扶養控除の対象とすることができます。たとえ兄弟が均等に送金している場合であっても、兄弟がそれぞれ重複して控除の対象とすることはできません。どちらが扶養控除の対象にするかを兄弟で話し合い、申告書の記載を一致させておくことが大切です。勤務先が異なる場合は、それぞれの会社の年末調整で重複しないよう注意してください。
- Q. 母が遺族年金を受け取っていますが、扶養控除の対象にできますか?
- A. No.1180のQ&Aによると、扶養親族に該当するかどうかを判定する合計所得金額には、非課税とされる所得の金額は含まれません。厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金や国民年金法に基づく遺族基礎年金などは非課税所得です。他に所得がなく、他の人の扶養控除の対象になっていなければ、扶養控除の対象とすることができます。
- Q. 16歳未満の子は扶養控除等申告書に書かなくてもよいですか?
- A. 年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は控除対象扶養親族に該当しないため、扶養控除の対象にはなりません。ただし、扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項欄の記載事項となるため、記載漏れのないよう注意が必要です。年末調整のしかたには、給与所得の源泉徴収票の16歳未満の扶養親族欄への確実な記載を求める内閣官房からのお知らせも掲載されています。
参考資料・出典
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
この記事に関するご相談は道濟会計事務所へ(初回相談無料)
確定申告や記帳でお困りの個人事業主・フリーランスの方は、堺市の道濟会計事務所にご相談ください。 堺東駅徒歩1分・オンライン対応で全国からご相談いただけます。