堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
リファンド方式2026|11月1日開始と免税店の10月までの準備
SUMMARYこの記事の要点3点
- 1ポイント1:令和8年11月1日から輸出物品販売場(免税店)制度が「リファンド方式」に移行し、免税店は外国人旅行者等に税込価格で販売したうえで、税関の確認後に消費税相当額を返金する流れに変わります。
- 2ポイント2:対象は免税店を経営する事業者です。令和8年10月31日までに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出していない電子化未対応の免税店は、同日をもって許可の効力を失います。
- 3ポイント3:リファンド方式に対応した免税店の許可申請は令和8年10月1日から受付が始まります。11月1日に許可を受けたい場合は、事前に所轄税務署に相談のうえ10月1日以降すみやかに提出してください。
CONTENTS目次
外国人旅行者に消費税を免税して販売する輸出物品販売場(免税店)制度が、令和8年11月1日から「リファンド方式」へ移行します。令和7年度税制改正で決まった見直しで、これまでの「店頭で税抜価格で売る」方式から、「いったん税込価格で売り、出国時に税関の確認を受けたことを確認してから消費税相当額を返金する」方式へと、売り方そのものが入れ替わります。
見落としやすいのは、11月1日の施行より先に10月に期限が来る手続があることです。電子化に対応していない免税店は10月31日で許可が失効し、新しい許可の申請受付は10月1日に始まります。本記事では、国税庁の公表資料をもとに、堺市・大阪府内で小売業や飲食業を営む事業者が9月から10月にかけて何を確認すべきかを、経理処理の変更点まで含めて整理します。
リファンド方式の概要と令和8年11月1日という施行日
![]()
リファンド方式とは何が変わる制度か
国税庁のリーフレット「輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します」は、令和8年11月1日からの変更点を4つに整理しています。第1に、免税購入対象者(外国人旅行者等)は、免税対象物品を国外に持ち出すことについて、購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受けることとされます。第2に、免税店は免税購入対象者に対して税込価格(課税)で免税対象物品を販売することになります。第3に、免税店を経営する事業者は、購入記録情報と持出しを税関が確認した旨の情報(税関確認情報)を保存することで免税の適用を受けることとされます。そして第4に、事業者はこの確認後に免税購入対象者へ消費税相当額を返金(リファンド)することとされます。
店頭で免税価格をつけるのではなく、税込みで売ったうえで「税関確認情報を保存することで免税の適用を受ける」構造になります。免税の適用を受けられるかどうかが販売後に確定するため、店頭のオペレーションだけでなく、売上の計上と消費税の申告にも影響が及びます。
90日の数え方と「一の販売単位」の落とし穴
税関の確認期限となる90日について、リーフレットは「購入日から90日以内とは、購入日の翌日から計算して90日目までの期間をいいます」と定義し、11月1日に購入した物品については翌年1月30日が税関での確認期限という例を示しています。起算日の扱いで1日ずれやすい論点なので、日数で覚えるのではなく「購入日の翌日から数えて90日目がいつか」という期限の側の日付で確認するのが確実です。
あわせて注意したいのが、確認が「まとまり単位」で判定される点です。リーフレットは、税関の確認の際に、同一の購入記録情報(一の販売(領収)単位)に含まれる免税対象物品のうち一つでもその物品を所持していなかった場合には、その購入記録情報に含まれるすべての免税対象物品について確認を受けることはできないと明記しています。同じレシートで5点買って4点しか持っていなければ、4点分も免税にならないという意味です。
根拠と施行日、そして移行期間がないこと
この見直しは令和7年度税制改正によるもので、国税庁のQ&Aは根拠を所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)による改正後の消費税法および消費税法施行令の一部を改正する政令(令和7年政令第125号)による改正後の消費税法施行令としています。消費税法基本通達も令和7年4月1日付の法令解釈通達で第8章が改正されています。
現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません。リーフレットは、改正内容は令和8年11月1日以後に免税店で行う免税対象物品の譲渡(販売)から適用されると定め、11月1日以後も免税の適用を受けるにはリファンド方式に対応する必要があると注記しています。11月1日をまたいで段階的に切り替えるという選択肢はありません。
なお、免税店で購入した物品の「別送」の取扱い(発送伝票の控え等の書類により輸出したことを確認する取扱い)は、リファンド方式への移行を待たず令和7年3月31日をもって廃止されており、令和7年4月1日以後に購入した商品から適用されています。すでに終わっている改正ですが、社内マニュアルに残っていることがあるため、この機会に確認しておくとよいでしょう。
中小企業への実務影響:免税対象物品・許可・経理の3方向
![]()
免税対象物品の範囲が大きく緩和される
リファンド方式では、これまで店頭で判断に迷いやすかった要件がまとめて廃止されます。一般物品と消耗品の区分、消耗品に係る購入上限額(50万円)、特殊包装、そして「通常生活の用に供するかどうか」の要件がいずれもなくなります。
| 項目 | 現行制度 | リファンド方式(令和8年11月1日以後) |
|---|---|---|
| 物品の区分 | 一般物品と消耗品に区分 | 区分なし |
| 免税対象金額 | 一般物品は5千円以上、消耗品は5千円以上50万円以下 | 5千円以上(購入上限額を廃止) |
| 用途の要件 | 通常生活の用に供する物品 | 用途を問わない |
| 特殊包装 | 消耗品は必要 | 廃止(不要) |
| 販売時の価格 | 税抜価格(免税)で販売 | 税込価格(課税)で販売し、税関確認情報の保存により免税の適用を受ける |
購入下限額の5千円は残りますが、区分が廃止されたことに伴い、その判定も一般物品と消耗品を分けずに税抜価額により行います。一方で、免税対象物品から除かれるものとして、金及び白金の地金、金貨及び白金貨、消費税が非課税とされる物品の3つが挙げられています。また、出国時に所持していない物品は税関の確認を受けられないため、免税店で購入する免税対象物品は出国時に自ら所持して持ち出せる数量に限られます。
単価100万円以上の商品には「商品情報詳細」が必須になる
単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合、商品の属性に応じて「免税対象物品を特定するに足りる事項(商品情報詳細)」を購入記録情報として提供することが必須項目とされます。具体的には、免税対象物品の具体的な名称、ブランド名、型番号、形状若しくは色彩等の特徴、または鑑定書(鑑別書)若しくは保証書付きである旨を組み合わせて設定し、シリアル番号の付された腕時計のような商品は、これらに加えてそのシリアル番号も提供します。
「商品分類」と「販売場名称(英語表記)」は任意項目として追加されます。ただし国税庁は、「品名」欄等からその商品を特定できない場合には法令上の提供項目である「品名」が設定されていないものとして扱われ、免税購入対象者が税関の確認を受けられない可能性があると注記しています。任意項目であっても、実務上は設定しておくほうが安全です。
免税店の区分統合と、10月31日に効力を失う許可
免税店の区分は、一般型免税店と手続委託型免税店が統合されて一般型免税店となり、自動販売機型免税店は引き続き区分として残ります。許可要件は一部が緩和される一方で、「免税販売手続や購入記録情報の提供及び税関確認情報の受領を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が新たに追加されます。手続面では、免税店を移転する場合に現行制度では改めて許可が必要でしたが、リファンド方式では変更届出書の提出で移転手続が可能になり、許可申請書や届出書も統合されて「会社案内」等の添付書類が不要になります。
令和8年10月31日までに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出(免税販売手続電子化未対応)の免税店については、同日をもって許可の効力を失うこととされています。この場合、リファンド方式開始後に改めて「輸出物品販売場許可申請書」を提出する必要があります。逆に、令和8年10月31日に一般型免税店または手続委託型免税店の許可を受けている事業者は、令和8年11月1日において新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされ、この経過措置の適用を受けるために申請書・届出書・添付書類を改めて提出する必要はありません。
経理処理は「振替処理」という新しい作業が増える
税込価格で販売するため、販売時はいったん課税売上げとして計上し、税関確認情報の保存により免税要件を満たした後に免税売上げへ振り替えることになります。国税庁は、税関確認情報の取得の都度その税関確認情報に対応する課税売上げを振り替える方法のほか、月次等の一定のタイミングで一括して振り替える方法も差し支えないとしています。
期をまたぐ場合の扱いも示されています。免税対象物品の販売を行った課税期間と税関確認情報を保存した課税期間が異なる場合には、販売を行った期の申告を修正するのではなく、税関確認情報を保存した期において調整する方法(売上げに係る対価の返還等があったものとして処理する方法など)も認められます。ただし、その処理を継続して行う必要があります。会計システムの科目設計や、記帳・経理代行を外部に委託している場合の引継ぎ事項にも影響するため、10月中に方針を決めておきたい部分です。
当事務所の見解・実務上の注意点
![]()
返金方法にルールがないことは、自由ではなく宿題
国税庁は、具体的な返金手続をどのように実施するかは消費税法令において何らルールを定めているものではないと明言し、返金方法の例として銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、税関の確認を受けた出国港内での現金による返金を挙げています。返金手続は事業者自らが行うほか、承認送受信事業者等に委託する方法も考えられるとしています。
ここは「決まっていないから何でもよい」と読むと危険な箇所だと考えます。ルールがないということは、返金の手段・タイミング・手数料の負担・返金できなかった場合の扱いを自社で設計し、旅行者に説明できる状態にしておく責任が事業者側にあるということです。少額の返金に国際送金の手数料がかかれば、返金額が手数料に食われる場面も出てきます。委託を検討するなら、返金に対応予定の承認送受信事業者の情報を早めに確認しておくべきでしょう。
売上が「増えたまま」になる時期が生まれる
資金繰りの観点でも見落としがあります。税込価格で販売するため、販売時点では消費税相当額を含む金額が入金され、返金するまで手元に残ります。一方で税関確認が取れなければ免税は成立せず、その分は課税売上げのまま消費税の納税対象になります。税関確認が取れる割合を自社で把握していないと、納税額の見込みが立ちません。当事務所としては、移行後しばらくは月次で「販売件数・税関確認済件数・返金済件数」の3つを並べて追うことをおすすめします。
直送制度は同じ結果を別の条文で受けることになる
免税購入対象者が免税店で運送契約を締結し、その場で免税対象物品を運送事業者へ引き渡すいわゆる直送制度については、現行制度に代えて消費税法第7条(輸出免税制度)により免税の適用を受けることができることとされます。この場合、免税店における一連の免税販売手続や購入記録情報の提供は不要になります。国税庁は、この方法は販売場(リファンド方式移行後は免税店に限りません)において顧客(免税購入対象者に限りません)が運送契約を締結し、その場で商品を運送事業者へ引き渡す方法であり、現行制度と同様に一定の事項が記載された運送契約書等の保存が必要になると注記しています。
直送を使う店舗にとっては、依拠する条文と保存書類が変わる一方で、購入記録情報の提供という重い手続からは外れるという整理になります。高額品を扱う店舗ほど、リファンド方式の手続と直送のどちらで受けるかを事前に決めておく価値があります。
制度の全体像は消費税の申告と一体で動きます。判断に迷う場面が続くようであれば、堺市の税務顧問として月次で確認しながら進める体制をご検討ください。
今すぐやるべきこと:9月から10月の手順
![]()
期限が近い順に並べると、やるべきことは次の5ステップに整理できます。
- ステップ1:「購入記録情報の提供方法等の届出書」の提出済みかを確認する
令和8年10月31日までにこの届出書が未提出の免税店は、同日をもって許可の効力を失います。過去に提出したかどうかが社内で分からない場合は、所轄税務署に確認してください。ここが未了だと、他の準備をすべて整えても11月1日に免税販売ができません。 - ステップ2:経過措置で「みなし許可」になるかを判定する
令和8年10月31日に一般型免税店または手続委託型免税店の許可を受けていれば、11月1日に新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされ、書類の再提出は不要です。手続委託型で委託関係等に変更がなければ、特段の手続なく現在の承認免税手続事業者に免税販売手続を委託し続けることができます。 - ステップ3:新規に許可を受けるなら10月1日以降すみやかに申請する
許可申請書の提出は令和8年10月1日から受付が始まります(e-Taxの利用が案内されています)。令和8年11月1日にリファンド方式に対応した免税店の許可を受けようとする、すなわち10月31日までに許可や識別符号の通知を受けようとする場合は、事前に所轄税務署に相談のうえ、10月1日以降すみやかに書類を提出してください。審査には一定の期間を要するとされています。 - ステップ4:レジ・システムと店頭の説明資料を差し替える
税込価格での販売、単価100万円以上の商品情報詳細、任意項目である商品分類の設定にシステムが対応しているかを販売管理システムの提供元に確認します。あわせて、購入者への説明事項を記載した国税庁のリーフレットは令和8年11月1日以後に販売を行う取引から使用します。 - ステップ5:振替処理と返金方法を決めて社内に周知する
課税売上げから免税売上げへの振替を都度行うか月次で一括するか、期をまたいだ場合にどちらの期で調整するかを決めます。返金手段と手数料の負担も含めて文書化し、店頭で旅行者に説明できる状態にします。
9月中に着手すべき理由:許可申請の新様式について、国税庁は令和8年7月付の資料で「本年9月中を目途に」国税庁ホームページの「税務手続の案内」ページで公表するとしています。10月1日の受付開始と同時に動けるよう、9月のうちに添付書類(免税販売手続マニュアル、端末操作要領、委託契約書の写しなど)をそろえておくと余裕が生まれます。
- ☑ 「購入記録情報の提供方法等の届出書」の提出状況を確認した
- ☑ みなし許可の対象かどうかを判定した
- ☑ 新規許可が必要な場合の添付書類をそろえた
- ☑ 販売管理システムのリファンド方式対応を提供元に確認した
- ☑ 振替処理の方法と返金手段を決めて社内に周知した
よくある質問
- Q. リファンド方式はいつから始まりますか?
- A. 令和7年度税制改正により、令和8年11月1日以後に免税店で行う免税対象物品の譲渡(販売)から適用されます。国税庁は、現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はないと明記しています。したがって11月1日以後も免税の適用を受けるには、その日までにリファンド方式へ対応しておく必要があります。対応が間に合わない場合、その店舗では免税販売そのものができなくなる点に注意してください。
- Q. いま免税店の許可を持っていれば、何も手続をしなくてよいのですか?
- A. 令和8年10月31日に一般型免税店または手続委託型免税店の許可を受けていれば、令和8年11月1日において新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされ、この経過措置の適用を受けるために申請書・届出書・添付書類を改めて提出する必要はありません。ただし10月31日までに「購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出の免税店は同日をもって許可の効力を失うため、提出済みかどうかだけは必ず確認してください。
- Q. 税関の確認期限である90日はいつから数えますか?
- A. 国税庁は、購入日から90日以内とは購入日の翌日から計算して90日目までの期間をいうと定義しています。例として、11月1日に購入した物品については翌年1月30日が税関での確認期限になると示されています。経過日数で覚えると初日を算入するかどうかで1日ずれるため、購入日ごとに「確認期限は何月何日か」という期限の側の日付で管理するほうが確実です。
- Q. 旅行者が購入した商品の一部を出国時に持っていなかった場合はどうなりますか?
- A. 国税庁は、税関の確認の際に、同一の購入記録情報(一の販売(領収)単位)に含まれる免税対象物品のうち一つでもその物品を所持していなかった場合には、その購入記録情報に含まれるすべての免税対象物品について確認を受けることはできないとしています。つまりその販売単位はまとめて免税になりません。そのため免税対象物品は、出国時に自ら所持して持ち出せる数量に限られます。
- Q. 旅行者への返金は現金で渡してもよいのですか?
- A. 具体的な返金手続をどのように実施するかは、消費税法令においてルールが定められていません。国税庁は返金方法の例として、銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、そして税関の確認を受けた出国港内での現金による返金を挙げています。返金手続は免税店を経営する事業者自らが行うほか、承認送受信事業者等に委託する方法も考えられるとされています。
- Q. 消耗品の50万円という上限や特殊包装はどうなりますか?
- A. リファンド方式への移行に伴い、一般物品と消耗品の区分、消耗品に係る購入上限額である50万円、特殊包装、そして通常生活の用に供するかどうかの要件は、いずれも廃止されます。購入下限額の5千円は残りますが、区分が廃止されたことに伴いその判定も両者を区分せず税抜価額により行います。一方で、金及び白金の地金、金貨及び白金貨、消費税が非課税とされる物品は免税対象物品から除かれます。
参考資料・出典
- 国税庁「輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し」
- 国税庁リーフレット「輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します」(令和7年4月)
- 国税庁「リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続」(令和8年7月)
- 国税庁「輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式)」(令和8年7月)
- 国税庁「輸出物品販売場における輸出免税について」
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
この記事に関するご相談は道濟会計事務所へ(初回相談無料)
税務・経営に関するご相談は、堺市の道濟会計事務所にお任せください。 堺東駅徒歩1分・オンライン対応で全国からご相談いただけます。