堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
国税のキャッシュレス納付2026|スマホ・クレカ・ダイレクト納付を解説
2026.07.09
この記事の要点3点
- ポイント1:国税は「スマホアプリ納付」「クレジットカード納付」「ダイレクト納付」などでキャッシュレス納付ができます。7月は源泉所得税の納期の特例(7月10日)や所得税の予定納税第1期(納期限7月31日)など納付が集中する時期で、方法選びが実務のカギです。
- ポイント2:手数料は方法で大きく異なります。スマホアプリ納付とダイレクト納付は決済手数料が無料、クレジットカード納付は納税者負担の決済手数料(おおむね納付税額1万円あたり99円・税込、率にして約0.99%〜)がかかります。
- ポイント3:金額の上限にも差があります。スマホアプリ納付は30万円以下、クレジットカード納付は1,000万円未満、ダイレクト納付は上限がなく大口納付にも対応。自社の納付額と手間・ポイント還元を天秤にかけて選びましょう。
7月は、源泉所得税の納期の特例(7月10日)や所得税の予定納税第1期(納期限7月31日)、消費税・法人税の中間納付など、納付が集中する時期です。金融機関の窓口に並ぶ時間を減らし、期限管理をラクにする手段が「キャッシュレス納付」です。国税では複数のキャッシュレス納付が用意されていますが、手数料・上限額・準備の手間はそれぞれ異なります。本記事では、国税庁の情報をもとに、各方法の違いと選び方を税理士の視点で具体的に解説します。
国税のキャッシュレス納付とは(制度の概要)
キャッシュレス納付とは、現金を使わずに国税を納める方法の総称です。国税庁は、金融機関やコンビニの窓口に出向かなくても納付できる複数の手段を整備しています。代表的なものは、スマホアプリ納付、クレジットカード納付、ダイレクト納付、インターネットバンキング納付、そしてコンビニ納付(QRコード)です。ここでは、中小企業・個人事業主が使う頻度の高い3つを中心に、仕組みを整理します。
背景として、国は税・社会保険の手続き全体でキャッシュレス化・デジタル化を進めています。窓口に並ぶ時間や現金を持ち運ぶ手間、納付書の保管といった負担を減らし、事業者の生産性を高める狙いがあります。中小企業・個人事業主にとっても、納付をキャッシュレス化することは、単なる支払い手段の変更にとどまらず、経理業務全体を見直すきっかけになります。まずは各方法の特徴を正しく理解することが、賢い選択の第一歩です。
スマホアプリ納付
「国税スマートフォン決済専用サイト」を通じて、PayPay、d払い、au PAYなどのスマホ決済アプリで国税を納める方法です。国税庁のQ&Aによれば、決済手数料はかかりません。利用できるのは納付税額が30万円以下の場合で、30万円を超える場合は他のキャッシュレス納付手段を使うよう案内されています。申告所得税、消費税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、源泉所得税など幅広い税目に対応し、e-Taxのメンテナンス時間を除き24時間利用できます。利用にはあらかじめe-Taxの利用開始手続が必要で、領収証書は発行されません。
クレジットカード納付
「国税クレジットカードお支払サイト」で、クレジットカードにより納付する方法です。利用できるのは納付税額が1,000万円未満(かつカードの決済可能額以下)の場合です。特徴は決済手数料が納税者の負担となる点で、この手数料は国の収入ではなく、納付受託者が納付税額に応じて決定します。2025年1月4日の納付受託者の変更に伴い手数料が改定され、現在はおおむね納付税額1万円あたり99円(税込)、率にして約0.99%〜が目安です(たとえば20,000円の納付で198円程度)。正確な金額は同サイトのシミュレーションで事前に確認できます。カードのポイント付与はカード会社の規約によります。
ダイレクト納付
e-Taxを利用して、届け出た預貯金口座から即時または期日を指定して引き落とす方法です。決済手数料は無料で、スマホアプリ納付のような金額の上限がなく、数億円単位の法人税や相続税も一度の手続きで納付できます。利用には事前に「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要で、届出から利用開始までに一定の期間を要する点に注意が必要です。継続的に国税を納める法人や個人事業主にとって、もっとも汎用性の高い方法といえます。
インターネットバンキング納付・コンビニ納付(QRコード)
このほかにも選択肢があります。インターネットバンキング納付は、e-Taxで納付情報を登録したうえで、金融機関のネットバンキングやATMから納付する方法で、決済手数料はかかりません。上限がなく大口にも対応できるため、ダイレクト納付を届け出ていない場合の受け皿になります。コンビニ納付(QRコード)は、確定申告書等作成コーナーや国税庁ホームページで作成したQRコードをコンビニの端末で読み取って納付する方法で、こちらは納付できる金額が30万円以下に限られます。手数料はかかりませんが、領収証書の代わりに受領証が交付されます。
補足:振替納税
個人の所得税・消費税については、指定した預貯金口座から自動で引き落とす「振替納税」も利用できます。手数料はかからず、一度手続きをすれば以後は自動で引き落とされるため、納め忘れの防止に有効です。ただし、口座残高の不足による引落不能や、後述する他の納付方法との二重納付には注意が必要です。
個人の所得税・消費税については、指定した預貯金口座から自動で引き落とす「振替納税」も利用できます。手数料はかからず、一度手続きをすれば以後は自動で引き落とされるため、納め忘れの防止に有効です。ただし、口座残高の不足による引落不能や、後述する他の納付方法との二重納付には注意が必要です。
中小企業・個人事業主への実務影響と方法別比較
キャッシュレス納付は「どれでも同じ」ではありません。手数料・上限額・準備の手間が異なるため、納付額の規模と頻度によって最適解が変わります。まずは主要な方法を一覧で比較します。
| 方法 | 決済手数料 | 利用上限 | 事前準備 |
|---|---|---|---|
| スマホアプリ納付 | 無料 | 30万円以下 | e-Tax利用開始手続・アプリ導入 |
| クレジットカード納付 | 納税者負担(約0.99%〜) | 1,000万円未満 | 特になし(お支払サイトで手続) |
| ダイレクト納付 | 無料 | 上限なし(大口も可) | 利用届出書の事前提出が必要 |
1. 少額・単発なら「スマホアプリ納付」が手軽
源泉所得税の納期の特例による納付や、少額の予定納税など、30万円以下の納付であれば、手数料無料のスマホアプリ納付が手軽です。窓口に行かずスマートフォンだけで完結し、24時間対応のため、期限当日の夜でも対応できます。ただし1回で納付できるのは30万円までで、領収証書は出ない点は押さえておきましょう。
2. 継続的に納める法人・個人事業主は「ダイレクト納付」が本命
毎月の源泉所得税や、消費税・法人税の中間・確定納付など、繰り返し発生する納付には、手数料無料で上限のないダイレクト納付が向いています。期日を指定して引き落とせるため、資金繰りの計画も立てやすくなります。ネット上の会計・申告と連動させれば、申告から納付までを一気通貫でデジタル化できます。日々の経理から申告・納付までをクラウドで効率化したい場合は、freeeなどクラウド会計を活用した税務サポートとあわせて導入を検討すると効果的です。
3. ポイント還元を狙うなら「クレジットカード納付」も選択肢
クレジットカード納付は手数料がかかりますが、カードのポイント還元率が手数料率(約0.99%〜)を上回る場合は、実質的に得になるケースもあります。上限は1,000万円未満で、1回の手続きで複数カードは使えませんが、金額を分けて複数回に分ければ複数のカードを使うこともできます。ただし、あくまで手数料と還元のバランス次第であり、還元率の低いカードでは手数料倒れになる点に注意が必要です。
4. 資金繰りとの関係を意識する
納付方法の選択は、資金繰りとも関係します。クレジットカード納付は、口座からの実際の引き落としがカードの締め日・支払日まで先延ばしになるため、短期的な資金繰りには余裕が生まれます。一方、その分の手数料コストは発生します。ダイレクト納付やスマホアプリ納付は手数料こそ無料ですが、口座から比較的早く資金が出ていきます。「手数料を取るか、支払いタイミングの猶予を取るか」という視点で、自社の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
5. 7月の納付集中期をどう乗り切るか
7月は納付が重なります。給与から天引きした源泉所得税を年2回にまとめて納める「納期の特例」の適用事業者は、1月から6月までの分を7月10日までに納付します。さらに、前年の所得税額が一定以上の個人は、予定納税第1期を7月31日までに納めます。これらが同じ月に集中するため、期限ごとに納付方法を決めておかないと、うっかり期限を過ぎて延滞税が発生しかねません。納期の特例のように金額が読みやすいものはダイレクト納付で期日指定引落しにしておき、予定納税は資金繰りを見てスマホアプリ納付かクレジットカード納付を選ぶ、といった使い分けが実務的です。期限を過ぎると本税に加えて延滞税がかかるため、方法選び以前に「期限内に納める」ことが最優先です。
当事務所の見解・実務上の注意点
キャッシュレス納付は便利ですが、選び方と手続きを誤ると、かえって手間やコストが増えます。実務でよく相談を受けるポイントを踏まえ、注意点を整理します。
「振替納税」との二重引き落としに注意
個人の所得税・消費税で振替納税を利用している方は要注意です。国税庁も案内しているとおり、申告により税額が確定すると、振替納税では口座引落日に自動で納付が完了します。そのため、同じ税金をスマホアプリ納付などで別途納めてしまうと、二重に納付するおそれがあります。振替納税を使っている税目を、別のキャッシュレス納付で納めたい場合は、あらかじめ所轄の税務署に連絡し、引き落としがされないようにしておく必要があります。
「納付=取消不可」を前提に、金額と税目を確認する
スマホアプリ納付もクレジットカード納付も、専用サイトで手続きが完了すると取消しはできません。誤った金額・税目・課税期間で納付すると、後日の還付手続きが必要になり、手間がかかります。納付前に、納付書やe-Taxの受信通知の内容と、画面の金額・税目が一致しているかを必ず確認しましょう。特に予定納税や中間納付は金額を取り違えやすいため、慎重な確認が求められます。
納税証明書が早く必要な場面では方式に注意
キャッシュレス納付は領収証書が発行されず、納付情報がシステムに反映されるまでに一定の日数がかかる場合があります。融資や入札などで納税証明書をすぐに取得したい予定がある場合は、反映までの時間を見込んでおくか、証明書の取得時期から逆算して納付方法を選ぶ必要があります。こうした個別の判断は、堺市の税務顧問としてスケジュールを含めてサポートしています。
e-Taxとの連携でヒューマンエラーを減らす
スマホアプリ納付やダイレクト納付は、e-Taxで申告・納付情報を送信したうえで、受信通知(納付区分番号通知)から専用サイトにアクセスするのが基本の流れです。この方法では、納付先の税務署・税目・課税期間・納付税額といった情報が専用サイトに自動で引き継がれるため、手入力による金額や税目の誤りを減らせます。逆にいえば、こうした連携を使わずに手作業で情報を入力すると、入力ミスのリスクが高まります。日々の記帳から申告・納付までをクラウド会計で一体的に管理しておくと、この連携がスムーズになり、納付ミスの防止にもつながります。担当者の入れ替わりが多い中小企業ほど、仕組みで防ぐ発想が有効です。
専門家からの一言
「手数料が無料だから」だけで選ばず、納付額の規模、継続性、ポイント還元、資金繰り、納税証明書の要否まで含めて総合的に判断することが、結果的にコストと手間の最小化につながります。まずは自社の年間の納付スケジュールを一覧化することから始めましょう。
「手数料が無料だから」だけで選ばず、納付額の規模、継続性、ポイント還元、資金繰り、納税証明書の要否まで含めて総合的に判断することが、結果的にコストと手間の最小化につながります。まずは自社の年間の納付スケジュールを一覧化することから始めましょう。
今すぐやるべきこと(納付準備チェックリスト)
7月の納付集中期を前に、キャッシュレス納付をスムーズに使うための準備を、順番に整理しました。
- ステップ1:年間の納付スケジュールを一覧化する
源泉所得税(納期の特例分は7月10日・翌年1月20日)、予定納税(第1期7月31日・第2期11月30日)、消費税・法人税の中間・確定納付など、自社の納付予定と金額の目安を書き出します。 - ステップ2:納付額の規模で方法を仮決めする
30万円以下が中心ならスマホアプリ納付、継続・大口ならダイレクト納付、ポイント重視ならクレジットカード納付、と納付ごとに向いた方法を割り当てます。 - ステップ3:e-Taxの利用開始手続を済ませる
スマホアプリ納付・ダイレクト納付にはe-Taxの利用が前提です。未登録なら早めに利用開始手続を行います。 - ステップ4:ダイレクト納付は届出書を先に提出する
ダイレクト納付は利用届出書の提出から利用開始まで期間を要します。使う予定があれば、納付期限に間に合うよう早めに提出します。 - ステップ5:振替納税との重複を点検する
振替納税を利用中の税目を別の方法で納めたい場合は、事前に所轄税務署へ連絡し、二重引き落としを防ぎます。
よくある質問
- Q. スマホアプリ納付とダイレクト納付は、どちらも手数料無料ですか?
- A. はい。国税庁のQ&Aによれば、スマホアプリ納付・ダイレクト納付ともに決済手数料はかかりません。一方、クレジットカード納付は納税者負担の決済手数料(おおむね納付税額1万円あたり99円・税込、率にして約0.99%〜)が発生します。
- Q. スマホアプリ納付で30万円を超える国税は納められますか?
- A. できません。スマホアプリ納付は納付税額が30万円以下の方向けの手続です。30万円を超える場合は、ダイレクト納付やインターネットバンキング納付など、他のキャッシュレス納付手段を利用してください。
- Q. クレジットカード納付はポイントが付くので必ず得ですか?
- A. 必ず得とは限りません。手数料率は約0.99%〜のため、カードの還元率がこれを下回ると手数料倒れになります。還元率と手数料を比較し、上回る場合にメリットがあると考えてください。手数料の正確な額は「国税クレジットカードお支払サイト」で事前に試算できます。
- Q. ダイレクト納付を使うにはどんな準備が必要ですか?
- A. e-Taxの利用開始手続に加え、「ダイレクト納付利用届出書」を事前に提出する必要があります。届出から実際に利用できるまでには一定の期間がかかるため、納付期限に間に合うよう早めの手続をおすすめします。
- Q. キャッシュレス納付では領収証書はもらえますか?
- A. スマホアプリ納付やクレジットカード納付では領収証書は発行されません。領収証書が必要な場合は、現金に納付書を添えて金融機関や税務署の窓口で納付する必要があります。納税証明書の取得を予定している場合は、システムへの反映までの日数も考慮してください。
- Q. 法人の源泉所得税もキャッシュレスで納められますか?
- A. 納められます。源泉所得税及び復興特別所得税はスマホアプリ納付・ダイレクト納付ともに対応しています。毎月または納期の特例で継続的に納付する場合は、手数料無料で上限のないダイレクト納付にしておくと、期日指定の引落しで納め忘れを防げます。
- Q. 一度の納付で税額の一部だけを納めることはできますか?
- A. e-Taxの受信通知から専用サイトへアクセスした場合、スマホアプリ納付で納付できるのは送信した申告データ等の税額に基づく金額です。分割して納めたい場合は方法によって扱いが異なるため、資金繰りの都合で分納を検討する際は、事前に税務署や顧問税理士に相談することをおすすめします。
参考資料・出典
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
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