堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
償却資産税の申告2026|対象資産・計算・申告期限を税理士が解説
この記事の要点3点
- ポイント1:償却資産税は、機械・器具・備品など土地・家屋以外の事業用資産にかかる固定資産税で、毎年1月1日時点の所有者が対象。原則として翌年1月31日までに市区町村へ申告します。
- ポイント2:課税標準額の合計が150万円未満なら課税されません(免税点)が、その場合も申告は必要です。税率は標準で1.4%です。
- ポイント3:クルマや10万円未満の少額資産は対象外ですが、30万円未満の少額減価償却資産の特例で経費にした資産は対象になるなど、法人税・所得税の処理とは扱いが異なる点に注意が必要です。
法人税や所得税の申告は毎年しているのに、「償却資産税」と聞くとよく分からない——そんな経営者や個人事業主は少なくありません。償却資産税は、機械や備品など事業に使う資産にかかる固定資産税の一種で、毎年1月末に市区町村へ申告する義務があります。申告を忘れたり、対象資産を誤って判断したりすると、後から追徴されることもある見落としがちな税金です。この記事では、償却資産税の仕組み、対象になる資産・ならない資産、税額の計算方法、申告の手順までを税理士がわかりやすく解説します。法人税・所得税とは判定が異なるポイントや、払いすぎを防ぐコツも具体的に取り上げます。年明けの申告に向けて、いまのうちに全体像をつかんでおきましょう。
償却資産税とは・制度の概要
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償却資産税は正式な税目名ではなく、固定資産税のうち「償却資産」にかかる部分を指す通称です。固定資産税は土地・家屋・償却資産の3つに課税されますが、このうち土地と家屋は市区町村が登記情報などをもとに把握するため申告は不要です。これに対して償却資産は所有者からの申告が必要で、これが「償却資産の申告」と呼ばれるものです。地方税法第383条により、事業用の償却資産を所有する法人・個人は、毎年申告することが義務づけられています。
償却資産とは何か
償却資産とは、土地・家屋以外の事業用の有形固定資産で、その減価償却額または減価償却費が法人税法または所得税法の所得計算上、損金または必要経費に算入されるものをいいます。具体的には次のような資産が該当します。
- 構築物(門・塀・舗装路面、看板、外構、内装・内部造作など)
- 機械・装置(製造設備、工作機械、建設機械など)
- 工具・器具・備品(パソコン、応接セット、陳列棚、医療機器、冷蔵庫、エアコンなど)
- 船舶・航空機
- 大型特殊自動車(自動車税・軽自動車税の対象とならない特殊車両)
飲食店の厨房設備やテーブル、美容室のシャンプー台、事務所のパソコンやコピー機、店舗の内装工事なども償却資産です。「うちは大きな機械はないから関係ない」と思っていても、実際には申告対象の資産を保有しているケースは多くあります。
なぜ償却資産だけ申告が必要なのか
土地や家屋は登記制度によって所有者や現況が公的に把握できますが、機械や備品といった償却資産には登記のような制度がありません。そのため、所有者自身が保有状況を申告する「自己申告制度」がとられています。市区町村は申告された内容にもとづいて評価額と税額を計算するため、申告の正確さがそのまま税額の正確さにつながります。逆にいえば、申告しなければ市区町村は資産を把握できないため、意図せず無申告の状態になってしまうこともあります。事業を営む以上、償却資産の申告は法人税・所得税の申告と並ぶ基本的な義務だと理解しておきましょう。
賦課期日・申告期限・納付
償却資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で所有している償却資産が対象です。所有者は、資産が所在する市区町村(東京23区は都)に対して、原則としてその年の1月31日までに申告します(期限が土日祝の場合は翌開庁日にずれます)。申告内容をもとに市区町村が税額を計算し、通常は年4回の納期に分けて納税通知書が送られてきます。土地・家屋の固定資産税とあわせて課税されるのが一般的です。
税率と免税点
償却資産税の計算はシンプルです。
税額の計算式
課税標準額(1,000円未満切捨て)× 税率1.4%(標準税率)= 税額(100円未満切捨て)
課税標準額(1,000円未満切捨て)× 税率1.4%(標準税率)= 税額(100円未満切捨て)
ここで重要なのが免税点です。同一の市区町村内に所有する償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合は、償却資産税は課税されません。ただし、免税点未満であっても、課税されるかどうかを市区町村が判断するために申告そのものは必要です。「税額が出ないから申告しなくてよい」というのは誤解ですので注意してください。
中小企業への実務影響と対象資産の判定
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償却資産税で最もつまずきやすいのが、「どの資産が対象になるのか」という判定です。法人税・所得税の減価償却の考え方と一部異なるため、経理処理と同じ感覚で判断すると誤りやすいポイントがあります。ここを正しく押さえることが、過不足のない申告につながります。
償却資産税の対象にならないもの
次の資産は償却資産税の対象外です。
- ☑ 自動車税・軽自動車税の課税対象となる車両(普通自動車、軽自動車、二輪車など)※ただし大型特殊自動車は対象
- ☑ 無形固定資産(ソフトウェア、特許権、営業権、漁業権など)
- ☑ 取得価額10万円未満で、一時に損金・必要経費に算入した資産
- ☑ 取得価額20万円未満で、一括償却資産として3年間で均等償却することを選んだ資産
- ☑ 繰延資産(創立費・開業費など)
- ☑ 棚卸資産(販売目的の商品・製品)
業種別に見た代表的な償却資産
自社にどんな償却資産があるかイメージしにくい場合は、業種別の例が参考になります。
| 業種 | 代表的な償却資産の例 |
|---|---|
| 飲食店 | 厨房設備、冷蔵・冷凍庫、テーブル・椅子、内装造作、看板、レジ、券売機 |
| 美容室・理容室 | シャンプー台、セット椅子、鏡台、パーマ機器、内装、エアコン |
| 小売・物販 | 陳列棚、ショーケース、レジ、防犯カメラ、看板、店舗内装 |
| 事務所・士業 | パソコン、複合機、応接セット、書庫、パーテーション |
| 製造・建設 | 工作機械、製造ライン、工具、建設機械(大型特殊)、構内舗装 |
このように、業種を問わず何らかの償却資産を保有しているのが一般的です。特に開業時にまとまった設備投資をした事業者は、初年度から申告対象になる資産を数多く抱えていることになります。
テナント入居時の内装・造作は誰が申告するのか
賃貸物件に入居して事業を行う場合、自らの費用で行った内装工事や造作(間仕切り、店舗の内部造作、電気・給排水などの附属設備)は、賃借人(テナント側)の償却資産として申告するのが原則です。建物本体は家屋として家主に固定資産税がかかりますが、借主が付加した内部造作は借主の事業用資産にあたるためです。「内装は建物だから自分は関係ない」と考えて申告から漏れやすい部分なので、開業時の内装費用は特に注意して台帳に計上しておきましょう。
間違えやすい「少額資産」の扱い
特に注意したいのが、金額による少額資産の扱いです。法人税・所得税では少額資産を早期に経費化できる制度がいくつかありますが、償却資産税での扱いは制度ごとに異なります。
| 取得価額・処理方法 | 償却資産税の対象 |
|---|---|
| 10万円未満(一時に損金算入) | 対象外 |
| 20万円未満(一括償却資産・3年均等償却) | 対象外 |
| 30万円未満(中小企業者等の少額減価償却資産の特例で即時償却) | 対象 |
| 通常の減価償却資産(10万円以上) | 対象 |
見落としやすいポイント
30万円未満の資産を「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」(租税特別措置法)で一括して経費にした場合、法人税・所得税では全額を損金にできますが、償却資産税では課税対象になります。会計上は経費で落としているため申告から漏れやすく、税務調査や市区町村の照会で指摘される典型例です。特例を使った資産は、償却資産の申告には必ず含めましょう。
30万円未満の資産を「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」(租税特別措置法)で一括して経費にした場合、法人税・所得税では全額を損金にできますが、償却資産税では課税対象になります。会計上は経費で落としているため申告から漏れやすく、税務調査や市区町村の照会で指摘される典型例です。特例を使った資産は、償却資産の申告には必ず含めましょう。
評価額の計算方法
償却資産の課税標準額は、取得価額をもとに毎年減価させて計算します。取得初年度は取得月にかかわらず半年分(半年償却)を減価させ、翌年以降は1年分ずつ減価させていきます。減価償却が進んでも、評価額は取得価額の5%が最低限度とされ、資産を所有し使用している限りはこの5%相当額が課税標準に残り続けます。法人税・所得税のように備忘価額1円まで償却しきる考え方とは異なる点に注意が必要です。固定資産台帳の整備が申告の精度を左右するため、日々の記帳と資産管理をていねいに行うことが大切です。こうした資産管理や記帳に手が回らない場合は、記帳・経理代行のサポートを活用する方法もあります。
イメージをつかむために、簡単な例で考えてみましょう。取得価額100万円の機械を前年中に購入した場合、初年度は半年分を減価させるため評価額は取得価額より下がり、翌年以降もさらに減っていきます。ただし、どれだけ古くなっても評価額は取得価額の5%(この例では5万円)を下回りません。仮にこの機械だけを保有し、ほかに償却資産がなければ課税標準額は150万円未満なので免税点により税額は生じませんが、それでも申告は必要です。一方、店舗の内装や複数の設備を保有していて課税標準額の合計が150万円以上になる場合は、その合計額に1.4%を乗じた金額が償却資産税として課税されます。自社の資産がどの水準にあるかを把握しておくことが、申告漏れと払いすぎの両方を防ぐ第一歩です。
当事務所の見解・実務上の注意点
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「申告不要」と思い込まないこと
実務でよく見られるのが、「税額が出ないはず」「小さな備品しかない」という理由で申告をしていないケースです。前述のとおり免税点未満でも申告は必要で、無申告のまま資産が把握されると、後から数年分さかのぼって課税されることもあります。開業・法人設立の初年度から、償却資産の申告は忘れずに行いましょう。特に、法人税や所得税の申告は税理士に任せていても、償却資産の申告は自分でやるつもりで放置してしまう、という行き違いが起こりがちです。誰がいつ申告するのかを、あらかじめ顧問税理士と役割分担を明確にしておくと安心です。前年に申告実績がある場合は、多くの市区町村から申告書が郵送されてきますが、届かないからといって申告不要になるわけではない点にも注意しましょう。
減った資産・増えた資産を正しく反映する
申告では、前年から増えた資産(取得)だけでなく、除却・売却・滅失した資産を減少資産として届け出ることも重要です。使わなくなった機械や廃棄した備品を減少資産として申告しないと、実際には手元にない資産に課税され続けてしまいます。年に一度、固定資産台帳と現物を突き合わせ、除却したものを確実に反映することで、払いすぎを防げます。
複数の市区町村に資産がある場合は所在地ごとに申告
償却資産の申告は、資産が実際に所在する市区町村ごとに行います。本店以外に支店・営業所・店舗がある場合や、堺市と大阪市など複数の自治体にまたがって資産を置いている場合は、それぞれの市区町村に申告が必要です。免税点(150万円未満)の判定も市区町村ごとに行われるため、1か所ずつでは免税点未満でも合算では課税、という状況もありえます。所在地の管理を台帳上できちんと分けておくと、申告作業がスムーズになります。
無申告・過少申告のリスク
償却資産の申告を怠ったり、実際より少なく申告したりした場合、市区町村は資産を調査し、さかのぼって課税することができます。地方税法では不申告に対する過料の定めもあり、悪質と判断されれば重い扱いを受ける可能性もあります。「うっかり忘れていた」では済まないこともあるため、毎年の申告を習慣づけることが大切です。逆に、除却済みの資産を減らし忘れて払いすぎているケースも実務では珍しくありません。過不足のない申告が、結果として適正な納税と節税の両方につながります。
設備投資では課税標準の特例もチェック
一定の要件を満たす先端設備等については、償却資産税の課税標準を一定期間軽減する特例が設けられている場合があります(対象や割合は制度・時期により異なります)。大きな設備投資を予定している場合は、法人税の特別償却・税額控除だけでなく、償却資産税の軽減措置も含めて検討すると、トータルの税負担を抑えられることがあります。判断に迷う場合は、設備投資の前に堺市の税務顧問に相談し、使える制度を漏れなく確認することをおすすめします。
今すぐやるべきこと
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償却資産の申告は年明けですが、準備は年内から進められます。次の手順で、申告漏れや払いすぎのない状態を整えましょう。
- ステップ1:固定資産台帳を最新の状態にする
今年取得した機械・備品・内装工事などを台帳に反映します。少額減価償却資産の特例で経費にした30万円未満の資産も、忘れずに記録しておきます。 - ステップ2:除却・売却した資産を洗い出す
使わなくなって廃棄した資産、売却・下取りに出した資産を確認し、減少資産として整理します。現物と台帳を突き合わせるのが確実です。 - ステップ3:対象・対象外を仕分ける
車両やソフトウェア、10万円未満・20万円未満一括償却の資産は対象外です。一方で30万円未満の特例資産は対象になります。判定に迷う資産はメモしておきましょう。 - ステップ4:申告先の市区町村と提出方法を確認する
資産が所在する市区町村ごとに申告が必要です。複数の事業所がある場合は所在地ごとに提出します。eLTAX(電子申告)に対応している自治体も増えています。 - ステップ5:1月31日の期限までに申告する
賦課期日1月1日時点の所有状況を、期限までに申告します。判断が難しい資産がある場合は、早めに顧問税理士に相談しておくと安心です。前年の申告内容が残っている場合は、増加・減少資産だけを反映すれば済むことも多く、日頃から台帳を整えておくほど申告作業は軽くなります。
よくある質問
- Q. 償却資産税と固定資産税は違う税金ですか?
- A. 別の税金ではありません。固定資産税は土地・家屋・償却資産に課税され、そのうち償却資産にかかる部分を通称で「償却資産税」と呼びます。土地・家屋は申告不要ですが、償却資産は所有者による申告が必要です。
- Q. 課税標準額が150万円未満なら申告しなくてよいですか?
- A. いいえ、申告は必要です。150万円未満は免税点で税額は課されませんが、免税点未満かどうかを市区町村が判断するために申告が求められます。「税額が出ないから申告不要」ではない点に注意してください。
- Q. 社用車は償却資産税の対象ですか?
- A. 普通自動車や軽自動車など、自動車税・軽自動車税の課税対象となる車両は償却資産税の対象外です。二重課税を避けるためです。ただし、フォークリフトなどの大型特殊自動車は自動車税等の対象外のため、償却資産税の対象になります。
- Q. 30万円未満の資産を一括で経費にしました。申告は必要ですか?
- A. 必要です。中小企業者等の少額減価償却資産の特例(30万円未満)で全額を経費にした資産は、法人税・所得税では損金になりますが、償却資産税では課税対象です。申告漏れになりやすいので必ず含めてください。一方、10万円未満や20万円未満の一括償却資産は対象外です。
- Q. 事業をやめた場合や資産を廃棄した場合はどうすればよいですか?
- A. 除却・廃棄・売却した資産は、翌年の申告で「減少資産」として届け出ます。届け出ないと手元にない資産に課税され続けてしまいます。廃業した場合も、その旨を申告し、以後の課税を止める手続きが必要です。廃棄した資産の日付や内容がわかる記録(廃棄業者の伝票など)を残しておくと、後日の確認にも役立ちます。年に一度は台帳と現物を照合し、実態に合った申告を心がけましょう。
参考資料・出典
- 東京都主税局「固定資産税(償却資産)|仕事と税金」
- 総務省「固定資産税(償却資産)の概要」
- e-Gov法令検索「地方税法」(第383条 償却資産の申告義務ほか)
- 国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
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