堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
e-Taxの法人税別表2026|令和8年4月以後決算の申告に注意
この記事の要点3点
- ポイント1:e-Taxは令和8年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税新様式を、令和8年5月25日から順次受付開始。別表は段階的にリリースされます。
- ポイント2:影響を受けるのは4月・5月決算など早期に申告する法人。使いたい別表がまだe-Taxに未対応、という事態が起こり得ます。
- ポイント3:まず「リリース前の別表等検索」で対応状況を確認。PDF(イメージデータ)で提出できるものは添付し、期限に不安があれば早めに税理士へ。
「e-Taxで法人税の申告データを作ろうとしたら、使いたい別表がまだ選べない」——決算月が早い法人の担当者から、この時期によく寄せられる相談です。原因は、e-Taxが税制改正に伴う法人税の別表対応を、毎年、段階を分けて進めているためです。とりわけ令和8年4月1日以後に終了する事業年度分は、防衛特別法人税の新設をはじめ改正項目が多く、新様式の受付が令和8年5月25日から順次始まりました。本記事では、なぜ別表がすぐに使えないことがあるのか、「リリース前の別表等検索」での確認方法、PDF(イメージデータ)提出の可否、そして4月・5月決算など早期に申告する中小企業が実務で注意すべき点を、堺市の税理士が整理して解説します。
制度の概要|e-Taxの別表対応と令和8年4月以後終了事業年度
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e-Tax(国税電子申告・納税システム)では、法人税の申告書に添付する各種「別表」を電子データで作成・送信できます。ただし、国税庁の案内「リリース前の別表等について」では、税制改正等に伴う法人税申告について毎年段階を分けてe-Taxの対応を行っているため、申告の時期によってはe-Taxにまだ提出できない別表が存在する、と明記されています。つまり「新しい事業年度区分の別表は、期首から一斉に全部そろうわけではない」というのが前提です。
令和8年4月1日以後に終了する事業年度等分については、国税庁が令和8年度税制改正等に対応した新様式を公表し、e-Taxでも令和8年5月25日(月)から新様式の受付を開始しました。この改正には、令和8年4月1日以後開始事業年度から適用される防衛特別法人税の創設や、投資促進関連の税制の新設・拡充などが含まれており、これらを反映するために別表の追加・変更が行われています。
そもそも「別表」とは、法人税の計算過程を示すために申告書に添付する明細書の総称です。所得金額や税額そのものを示す別表一のような中心的な様式から、受取配当の益金不算入、減価償却、各種の特別控除(税額控除)といった個別の計算を示すものまで、多数の別表があります。税制改正で新しい制度が創設されたり、既存制度の要件が変わったりすると、それに対応する別表が新設・改訂されます。改正内容が大きい年ほど改訂される別表が多くなり、システムへの反映にも一定の時間がかかる、という関係にあります。今回の令和8年4月1日以後終了事業年度分は、防衛特別法人税の計算のために別表一(次葉)が追加されるなど、様式面の変更が広範囲に及んでいる点が特徴です。
ポイント:改正が多い年は「別表がそろうまでに時間差」が生じやすい
新設・改正された制度を反映する別表ほど、システム対応が後ろ倒しになる傾向があります。改正の目玉である制度の別表を早期申告で使う場合は、事前の対応状況の確認が欠かせません。
新設・改正された制度を反映する別表ほど、システム対応が後ろ倒しになる傾向があります。改正の目玉である制度の別表を早期申告で使う場合は、事前の対応状況の確認が欠かせません。
リリース前でもPDF(イメージデータ)で提出できる
e-Taxに未対応の別表があっても、申告そのものができないわけではありません。令和元年6月3日から、e-Taxに対応していない別表は添付書類としてイメージデータ(PDF形式)で送信できるようになっています。国税庁の「リリース前の別表等検索(令和8年4月1日以後終了事業年度等分)」で各帳票の対応状況を確認し、「PDF提出可」と表示されていれば、その別表はイメージデータで提出する対象になります。なお、この取り扱いの対象は令和8年4月1日以後終了事業年度等分で、平成31年4月1日前に終了する事業年度等分は対象外です。
| 検索ツールの表示 | 意味 | 提出方法の考え方 |
|---|---|---|
| PDF提出可 | e-Taxソフト等では未対応だが、イメージデータでの提出が可能 | 別表をPDF化し、添付書類として送信する |
| リリース済み(PDF提出不可) | e-Taxソフト等で作成・送信する通常の帳票として対応済み | e-Taxソフトや対応会計ソフトで作成して送信する |
※上記は制度上の考え方を整理したものです。実際の各別表の対応状況・表示は、申告時点で必ず国税庁の検索ツールでご確認ください。
中小企業への実務影響|早期決算法人の申告実務
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この「別表の段階リリース」の影響を最も受けやすいのが、決算月が早い法人です。法人税の確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出しなければなりません。したがって、令和8年4月1日以後に終了する事業年度のうち、期末が早い法人ほど、新様式の受付開始(令和8年5月25日)の直後に申告期限が到来し、必要な別表がまだそろっていない可能性があります。
| 事業年度終了日(決算月) | 原則の申告期限(2か月以内) | 別表対応の注意度 |
|---|---|---|
| 令和8年4月30日 | 令和8年6月30日 | 高(受付開始直後で未対応の別表が生じやすい) |
| 令和8年5月31日 | 令和8年7月31日 | 中〜高 |
| 令和8年6月30日 | 令和8年8月31日 | 中 |
ここで押さえておきたいのは、「新様式の受付が始まった=すべての別表がe-Taxソフトで作れる」ではない、という点です。受付開始は、あくまで新しい事業年度区分の申告データを受け付ける入り口が開いたことを意味します。個々の別表が実際にソフト上で作成できるようになる時期は帳票ごとに異なり、当面はPDF提出で対応する別表も出てきます。したがって早期決算法人は、「申告できるかどうか」ではなく「使う別表それぞれの提出方法がどうなっているか」という粒度で確認することが大切です。使う別表のうち1枚でも対応状況が不明なものがあれば、その1枚のために提出方法を組み直す必要が生じます。決算を締める前に、適用予定の制度と必要な別表をリストアップしておくと、確認作業がスムーズになります。
地方税(法人住民税・事業税)の申告も同じ考え方
影響は国税だけではありません。法人住民税や法人事業税などの地方税は、地方税ポータルシステム(eLTAX)を通じて電子申告しますが、こちらも税制改正への対応は年度ごと・時期ごとに進みます。法人税の別表と地方税の様式は連動する部分が多いため、片方が対応していても、もう片方の準備が整っていないという場面もあり得ます。国税・地方税の両方について、使用するソフトと申告先システムの対応状況をセットで確認しておくと、提出直前の手戻りを防げます。
申告期限の延長特例を受けている場合の確認点
法人税では、定款などの定めにより事業年度終了後2か月以内に定時株主総会が招集されない常況にある法人などが、届出により申告期限を原則1か月延長できる特例があります(この場合でも納税は本来の期限を基準に見積り納付や利子税の扱いが関係します)。延長特例を受けている法人は、別表のリリースを待てる時間が相対的に長くなることもありますが、それでも「期限内に正しい別表で提出する」ことに変わりはありません。自社が延長特例の対象かどうか、対象なら延長後の期限がいつかを、申告準備の最初に確認しておきましょう。
電子申告が義務の大法人はとくに影響が大きい
資本金の額等が1億円を超える大法人などは、法人税・地方法人税の電子申告(e-Tax)が義務化されています。紙での提出という選択肢が実質的にないため、別表のリリース状況がそのまま申告実務のスケジュールに直結します。中小企業でも、電子申告を前提に会計・申告ソフトを運用している場合は同様で、ソフトのアップデート状況とe-Taxの対応状況の両方を見ておく必要があります。
改正が反映された別表は「後から使えるようになる」ことがある
賃上げ促進税制(かつての所得拡大促進税制)のように、改正のたびに要件や様式が見直される制度の別表は、システム対応が後ろ倒しになりやすい代表例です。SNS上でも「改正が入った税制の別表がまだ電子で作れない」といった声が見られますが、これは不具合ではなく、段階的対応の過程で生じる想定内の事象です。慌てて紙に切り替える前に、まず検索ツールで「PDF提出可」かどうかを確認するのが実務の第一歩です。クラウド会計や電子申告の運用に不安がある場合は、クラウド会計・電子申告に強い税理士に運用体制を点検してもらうと安心です。
注意:期限は待ってくれません
別表が未対応であることは、申告期限を延ばす理由にはなりません。「リリースを待つ」「PDFで提出する」「申告期限の延長特例の適用状況を確認する」など、期限内に提出できる方法を早めに選ぶ必要があります。
別表が未対応であることは、申告期限を延ばす理由にはなりません。「リリースを待つ」「PDFで提出する」「申告期限の延長特例の適用状況を確認する」など、期限内に提出できる方法を早めに選ぶ必要があります。
当事務所の見解・実務上の注意点
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毎年この時期は、早期決算法人の申告で別表の対応状況が話題になります。当事務所が実務で重視している考え方を3点に整理します。
1.「使えない」と慌てる前に、まず検索で事実確認を
「別表が選べない=申告できない」ではありません。多くの場合、リリース前の別表はイメージデータ(PDF)で提出できます。まずは国税庁の「リリース前の別表等検索」で、自社が使う別表が「PDF提出可」なのか「リリース済み」なのかを確認しましょう。事実を押さえれば、取るべき対応は自ずと決まります。
2. PDF提出は「できる」が「万能」ではない
イメージデータでの提出は有効な手段ですが、別表内の数値がそのまま電子データとして連携されるわけではないため、転記ミスや計算誤りが表面化しにくい面があります。金額の根拠となる計算過程は社内でも別途保存し、後日の見直しに耐えられる形で整えておくことをおすすめします。可能であれば、e-Taxソフトや会計ソフトが正式対応した後に作成する方が、チェック機能が働き安全です。
3. ソフトの更新とスケジュール前倒しをセットで
申告ソフトやe-Taxソフトのアップデートが公開されると、それまでPDF提出だった別表が正式対応に切り替わることがあります。決算・申告のスケジュールに、ソフト更新の確認を組み込んでおくと、直前の慌ただしさを避けられます。改正項目の多い年ほど、決算作業を数日でも前倒しし、対応状況を確認する時間を確保することが、結果的にミスの防止につながります。法人の申告体制に不安がある場合は、法人の税務顧問として継続的に確認する体制を整えるのが確実です。
特別控除・優遇税制を使う法人は「別表があってこそ」
賃上げ促進税制や中小企業投資促進税制、経営強化税制といった税額控除・特別償却は、いずれも所定の別表を添付して初めて適用が受けられます。つまり、対応する別表が使えないと、制度の適用そのものが宙に浮いてしまいます。これらの優遇を予定している法人は、決算を締める前の段階で「その別表がe-Taxで対応済みか、PDF提出可か」を確認しておくことが特に重要です。適用漏れは、そのまま余分な納税につながります。改正の恩恵を確実に受けるためにも、制度の適用要件と申告書の様式対応を一体で管理する意識を持ちましょう。せっかくの優遇制度を取りこぼさないよう、当事務所でも決算前の段階で適用予定の税制と別表の対応状況を突き合わせて確認しています。
今すぐやるべきこと
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令和8年4月1日以後に終了する事業年度の法人税申告を控えている場合に、期限内に確実に提出するための手順を整理します。
- ステップ1:自社の決算月と申告期限を確認する
事業年度終了の日の翌日から2か月以内という原則の期限を押さえます。申告期限の延長特例の適用を受けている法人は、その期限も併せて確認します。 - ステップ2:「リリース前の別表等検索」で対応状況を確認する
国税庁のe-Taxサイトで「リリース前の別表等検索(令和8年4月1日以後終了事業年度等分)」を開き、自社が使う別表の対応状況を検索します。「PDF提出可」か「リリース済み」かを帳票ごとに確認します。 - ステップ3:PDF提出可の別表はイメージデータを準備する
未対応でもPDF提出可の別表は、正確に作成したうえでPDF化し、添付書類として送信できるよう準備します。数値の根拠資料も併せて整理します。 - ステップ4:申告ソフト・e-Taxソフトを最新版に更新する
使用しているソフトのアップデート情報を確認し、最新版に更新します。更新後に別表が正式対応へ切り替わっていないかも確認します。 - ステップ5:期限に不安があれば早めに税理士へ相談する
別表の対応状況や提出方法に迷いがある、申告期限が近いという場合は、早い段階で税理士に相談し、提出方法とスケジュールを確定させます。
よくある質問
- Q. e-Taxで使いたい別表が選べません。申告できないのですか?
- A. 申告できないわけではありません。税制改正に伴う別表対応は段階的に行われるため、時期によって未対応の別表があります。国税庁の「リリース前の別表等検索」で「PDF提出可」と表示される別表は、イメージデータ(PDF)で添付して提出できます。まずは対応状況の確認から始めてください。
- Q. 令和8年4月以後終了事業年度の新様式は、いつからe-Taxで使えますか?
- A. e-Taxでは令和8年5月25日(月)から、令和8年4月1日以後に終了する事業年度等分の新様式の受付を開始しました。ただし、すべての別表が同時に対応するわけではなく、順次リリースされます。使用する別表ごとに、申告時点での対応状況を確認する必要があります。
- Q. 別表が未対応だと、申告期限は延びますか?
- A. 延びません。別表のリリース状況は申告期限を延長する理由にはなりません。原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内という期限内に、PDF提出などの方法で申告する必要があります。期限に間に合わない懸念がある場合は、早めに提出方法を決めることが重要です。
- Q. 賃上げ促進税制の別表もPDFで提出してよいのですか?
- A. その別表が検索ツールで「PDF提出可」と表示されていれば、イメージデータでの提出が可能です。表示は帳票ごと・時点ごとに変わるため、必ず申告時点で最新の対応状況を確認してください。控除額の計算根拠となる資料は社内でも保存しておくと安心です。
- Q. 紙で提出すれば、別表のリリースを気にしなくてよいのでは?
- A. 資本金の額等が1億円を超える大法人などは電子申告が義務のため、紙という選択肢が実質ありません。義務化対象でない中小企業でも、電子申告を前提に運用しているなら、ソフトとe-Taxの対応状況を確認するのが現実的です。紙・電子いずれでも、正確な別表を期限内に提出する点は変わりません。
- Q. どの別表が対応済みかを、まとめて確認する方法はありますか?
- A. 国税庁は「令和8年4月以降に提供した法人税等各種別表関係」として、提供済みの別表を一覧で公開しています。まずこの一覧で対応済みの様式を確認し、そのうえでe-Taxの「リリース前の別表等検索」で未対応の別表がPDF提出可かどうかを確認すると、自社が使う別表の提出方法を漏れなく把握できます。
参考資料・出典
本記事は、以下の公的機関の情報に基づいて作成しています。各別表の対応状況は時点により変わるため、申告時には必ず一次情報をご確認ください。
- e-Tax(国税庁)リリース前の別表等について
- e-Tax(国税庁)リリース前の別表等検索(令和8年4月1日以後終了事業年度等分)
- e-Tax(国税庁)令和8年度税制改正等に係る対応等について
- e-Tax(国税庁)申告手続(法人税確定申告等)
- 国税庁 令和8年4月以降に提供した法人税等各種別表関係
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
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