堺市で税理士に依頼するメリットとは?選び方のポイントと費用相場を解説
宗教法人の収益事業課税2026|宿坊の申告漏れ1億円と34業種判定
SUMMARYこの記事の要点3点
- 1ポイント1:宗教法人の宿坊は法人税法上の「旅館業」に当たります。大阪国税局が高野山で宿坊を手掛ける約50の宗教法人のうち十数法人を調査し、半数以上で総額計1億円超の申告漏れを把握したと報じられました。
- 2ポイント2:影響を受けるのは宗教法人だけではありません。学校法人・社会福祉法人・NPO法人・非営利型の一般社団法人など、収益事業課税を受けるすべての法人が同じ判定にさらされます。
- 3ポイント3:まず自法人の収入を34業種と照らして棚卸しし、収益事業の経理を区分してください。私的費用の付け替えは法人税と源泉所得税の両方に跳ね返ります。
CONTENTS目次
令和8年9月10日、大阪国税局が高野山(和歌山県高野町)で宿坊を扱う宗教法人を調査し、複数の法人で総額1億円超の申告漏れを指摘したと報じられました。宗教法人の税務は「お布施は非課税」という理解だけが独り歩きしがちですが、法人税法が課税対象とするのは法人の種類ではなく事業の種類です。そして同じ判定は、学校法人・社会福祉法人・NPO法人・非営利型の一般社団法人にもそのまま及びます。本記事では国税庁の資料に基づき、収益事業34業種の判定、区分経理の具体的なやり方、そして今回の事案の核心である「私的費用の付け替え」がなぜ二重の追徴を招くのかを整理します。
収益事業課税の概要と今回の申告漏れ
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報じられた事案の内容
毎日新聞は令和8年(2026年)9月10日配信の記事で、大阪国税局が「高野山の宿坊事業の実態を把握するため、宿坊を手掛けているおよそ50の宗教法人の中から十数法人を調査。半数以上で総額計1億円超の申告漏れがあったことを把握した」と報じました。同記事は、宗教法人の経費に計上して宿坊の所得を過少申告していたケースがあり「追徴税額は計約6000万円に上った」としており、複数の歴史的寺院も含まれ、いずれも修正申告に応じたとされると伝えています。あわせて26年度も複数の宗教法人で申告漏れが確認されているとしています。同紙は、宗教法人では布施・さい銭・戒名料といった宗教活動にかかわる収入は課税されない一方、宿坊のような営利目的の事業は課税対象になると説明しています。
課税されるのは「法人」ではなく「事業」
国税庁「法人税のあらましと申告の手引」(令和7年版)は、内国法人を公共法人・公益法人等・人格のない社団等・協同組合等・普通法人に区分し、このうち公益法人等と人格のない社団等は「収益事業から生じた所得に対して課税」されると整理しています。宗教法人は、同手引が「法別表第二(公益法人等の表)に掲げる法人」として挙げる「公益社団(財団)法人、非営利型法人、社会医療法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人など」に含まれます。つまり宗教法人は全所得課税ではなく、収益事業に限って法人税がかかる法人です。
その収益事業の定義について、同手引は「収益事業とは、令第5条第1項各号(収益事業の範囲)に列挙されている物品販売業等の34の事業で継続して事業場を設けて行われるものをいいます」と述べ、例として「お寺(宗教法人)が境内の一部を駐車場として賃貸すること(駐車場業)、幼稚園(学校法人)が園児に制服・制帽等を販売すること(物品販売業)」を挙げています。国税庁自身が寺院の例を示している点は、判定が机上の話ではないことを物語ります。
34業種の一覧と宿坊の位置づけ
同手引が掲げる34事業(本記事ではこれを34業種と呼びます)は次のとおりです。①物品販売業 ②不動産販売業 ③金銭貸付業 ④物品貸付業 ⑤不動産貸付業 ⑥製造業 ⑦通信業、放送業 ⑧運送業 ⑨倉庫業 ⑩請負業 ⑪印刷業 ⑫出版業 ⑬写真業 ⑭席貸業 ⑮旅館業 ⑯料理飲食店業 ⑰周旋業 ⑱代理業 ⑲仲立業 ⑳問屋業 ㉑鉱業 ㉒土石採取業 ㉓浴場業 ㉔理容業 ㉕美容業 ㉖興行業 ㉗遊技所業 ㉘遊覧所業 ㉙医療保健業 ㉚技芸教授業 ㉛駐車場業 ㉜信用保証業 ㉝無体財産権提供業 ㉞労働者派遣業。宿泊料を受けて参拝者を泊める宿坊は、この⑮旅館業に位置づけられます。
収益事業の3要件
34業種に該当することだけでは足りず、「継続して」「事業場を設けて」行われることも要件です。法人税基本通達15-1-4は「事業場を設けて行われるもの」には常時の店舗・事務所のほか「必要に応じて随時その事業活動のための場所を設け、又は既存の施設を利用してその事業活動を行うもの」が含まれるとしています。また同15-1-5は「継続して……行われるもの」に、海水浴場における席貸しや縁日における物品販売のように「通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの」が含まれるとしています。年数回の行事でも反復性があれば要件を満たしうる点に注意が必要です。
34業種に該当することだけでは足りず、「継続して」「事業場を設けて」行われることも要件です。法人税基本通達15-1-4は「事業場を設けて行われるもの」には常時の店舗・事務所のほか「必要に応じて随時その事業活動のための場所を設け、又は既存の施設を利用してその事業活動を行うもの」が含まれるとしています。また同15-1-5は「継続して……行われるもの」に、海水浴場における席貸しや縁日における物品販売のように「通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの」が含まれるとしています。年数回の行事でも反復性があれば要件を満たしうる点に注意が必要です。
本来の目的の事業でも課税される
見落とされやすいのが法人税基本通達15-1-1です。同通達は、公益法人等が令第5条第1項各号に掲げる事業に該当する事業を行う場合には「たとえその行う事業が当該公益法人等の本来の目的たる事業であるときであっても、当該事業から生ずる所得については法人税が課される」ことに留意するとしています。「宗教活動の一環だから非課税」という説明は、この通達の前では通りません。
中小企業・非営利法人への実務影響
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影響が及ぶ法人の範囲
収益事業課税は宗教法人に固有の制度ではありません。国税庁「一般社団法人・一般財団法人と法人税」は、公益認定を受けた公益社団法人・公益財団法人は公益法人等として「法人税法上の収益事業から生じた所得が課税対象」となり、公益目的事業は収益事業から除かれるため「公益目的事業から生じた所得は課税対象になりません」と説明しています。公益認定を受けていない一般社団法人・一般財団法人については、非営利型法人の要件を満たすものは公益法人等として収益事業のみ課税、それ以外は普通法人として全ての所得が課税対象と整理されています。
| 法人の区分 | 課税所得の範囲 | 年800万円以下の税率 | 年800万円超の税率 |
|---|---|---|---|
| 宗教法人・学校法人・社会福祉法人など(上記以外の公益法人等) | 収益事業から生じた所得 | 15% | 19% |
| 公益社団法人・公益財団法人・非営利型法人 | 収益事業から生じた所得 | 15% | 23.20% |
| みなし公益法人等(NPO法人・認可地縁団体など) | 収益事業から生じた所得 | 15% | 23.20% |
| 非営利型法人以外の一般社団・一般財団法人 | 全ての所得 | 15% | 23.20% |
税率はタックスアンサーNo.5759(令和7年4月1日現在法令等)に基づきます。なお同コードの(注7)は、令和7年4月1日以後に開始する事業年度において「所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分に適用される税率は17パーセントとなります」としています。宗教法人など「上記以外の公益法人等」は年800万円超の部分が19%で、普通法人の23.20%より低いことが特徴です。
区分経理は「収益と費用」だけでは足りない
国税庁「令和8年版 宗教法人の税務」は「収益事業の経理は、収益事業以外の事業の経理と区分する必要があります」と明記しています。この区分経理の範囲について、法人税基本通達15-2-1は、法人税法施行令第6条にいう「所得に関する経理」とは「単に収益及び費用に関する経理だけでなく、資産及び負債に関する経理を含む」ことに留意するとしています。損益だけを分けても足りず、貸借対照表の科目まで区分が求められる建て付けです。
共通費用の配賦についても同15-2-5が具体的です。共通する費用または損失は「継続的に、資産の使用割合、従業員の従事割合、資産の帳簿価額の比、収入金額の比その他当該費用又は損失の性質に応ずる合理的な基準」により配賦するとされています。ここで重要なのが「継続的に」という語です。年度ごとに有利な基準へ切り替える運用は、この通達の求めるところではありません。
共通の資産を使っている場合の扱い
同15-2-1の(注)は、一の資産が収益事業の用と収益事業以外の事業の用とに共用されている場合(事業ごとに専用部分が明らかな場合を除く)には、その資産を収益事業に属する資産として区分経理はせず、「その償却費その他当該資産について生ずる費用の額のうち収益事業に係る部分の金額を当該収益事業に係る費用として経理する」としています。建物を宿坊と宗教活動に共用している場合は、建物そのものを収益事業側に移すのではなく、減価償却費などを按分する処理になります。
同15-2-1の(注)は、一の資産が収益事業の用と収益事業以外の事業の用とに共用されている場合(事業ごとに専用部分が明らかな場合を除く)には、その資産を収益事業に属する資産として区分経理はせず、「その償却費その他当該資産について生ずる費用の額のうち収益事業に係る部分の金額を当該収益事業に係る費用として経理する」としています。建物を宿坊と宗教活動に共用している場合は、建物そのものを収益事業側に移すのではなく、減価償却費などを按分する処理になります。
届出と申告の期限
国税庁「C1-6 公益法人等又は人格のない社団等の収益事業開始等の届出」は、新たに収益事業を開始した内国法人である公益法人等または人格のない社団等について、提出時期を「収益事業を開始した日、該当することとなった日又は有することとなった日以後2月以内」としています。添付書類は、収益事業開始の日における収益事業についての貸借対照表と、定款・寄附行為・規則もしくは規約等の写しです。手続根拠は法人税法第150条および法人税施行規則第65条とされています。なお一般社団法人および一般財団法人(非営利型法人に該当する場合を除く)は普通法人に該当するため提出の必要はないとされています。申告期限は「令和8年版 宗教法人の税務」が「法人税の申告及び納付は、各事業年度終了後2か月以内にしなければなりません」としているとおりです。
当事務所の見解・実務上の注意点
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私的費用の付け替えは「経費否認」で終わらない
報道された事案で問題とされたのは、宗教法人の収入が私的に支出されていたという点でした。ここで実務家として強調したいのは、私的費用を法人の経費に計上した場合の不利益が法人税の否認だけで終わらないことです。国税庁「令和8年版 宗教法人の税務」は「宗教法人も源泉徴収義務者となります」とし、「源泉徴収の対象となる給与には、金銭で支給されるもののほか、経済的利益の供与や物の支給も含まれます」と述べています。そして経済的利益の例として、同資料は「宗教法人の庫裏等に無償で居住している場合」「宗教法人から法衣等の支給(貸与)を受けた場合」「個人で負担すべき飲食代等の費用を宗教法人が負担した場合」を挙げています。
つまり私的費用の付け替えは、法人側で損金が否認されて法人税等が増えるうえ、同じ支出が住職等個人への現物給与と扱われて源泉所得税の徴収漏れにもなりえます。さらに同資料は「源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税が正しく納付されていない場合には、本税のほか加算税や延滞税を負担しなければならないことがあります」とも述べています。法人・個人・源泉の三方向に波及する構造です。
国税庁が示す原則
「令和8年版 宗教法人の税務」は、源泉所得税の項目で「個人の家計と宗教法人の会計とは明確に区分する必要があります」と明記しています。区分経理の話は収益事業と非収益事業の間だけでなく、法人と個人の間にも及ぶという指摘であり、今回の事案の本質はここにあると考えます。
「令和8年版 宗教法人の税務」は、源泉所得税の項目で「個人の家計と宗教法人の会計とは明確に区分する必要があります」と明記しています。区分経理の話は収益事業と非収益事業の間だけでなく、法人と個人の間にも及ぶという指摘であり、今回の事案の本質はここにあると考えます。
みなし寄附金という宗教法人固有の仕組み
収益事業の利益を宗教活動側へ繰り入れる場合には、宗教法人固有の取扱いがあります。「令和8年版 宗教法人の税務」は「収益事業の資産のうちから収益事業以外の事業のために支出した金額は、収益事業に係る寄附金の額とみなされます」としています。いわゆるみなし寄附金です。ただし法人税基本通達15-2-4は、そうした区分経理をした場合であっても「その一方において収益事業以外の事業から収益事業へその金銭等の額に見合う金額に相当する元入れがあったものとして経理するなど実質的に収益事業から収益事業以外の事業への金銭等の支出がなかったと認められるとき」は、みなし寄附金の規定の適用がないとしています。帳簿上の振替だけで損金を作ろうとしても認められない点に留意が必要です。
また同通達は、人格のない社団等ならびに非営利型法人、特定労働者協同組合などについては、区分経理をした金額にみなし寄附金の規定の適用はないとしています。NPO法人や非営利型の一般社団法人には、宗教法人と同じみなし寄附金の効果が及ばないことになります。同じ「収益事業のみ課税」であっても法人類型ごとに差がある部分で、当事務所が相談を受ける際にも最初に確認する論点です。堺市の税務顧問として非営利法人の顧問業務にも携わっていますが、この差を踏まえずに他法人の事例をそのまま当てはめてしまう例は少なくありません。
補助金・助成金の扱いにも独自ルールがある
補助金についても専用の通達があります。法人税基本通達15-2-12は、収益事業を行う公益法人等または人格のない社団等が国、地方公共団体等から交付を受ける補助金等のうち、固定資産の取得または改良に充てるためのものは「たとえ当該固定資産が収益事業の用に供されるものである場合であっても、収益事業に係る益金の額に算入しない」とし、他方で「収益事業に係る収入又は経費を補塡するために交付を受ける補助金等の額は、収益事業に係る益金の額に算入する」としています。普通法人の圧縮記帳とは異なる考え方です。
今すぐやるべきこと
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非営利法人の役員・経理担当者が、この機会に確認しておきたい手順を4段階で整理します。
- ステップ1:収入を科目ごとに書き出し、34業種と突き合わせる
決算書の収入科目をすべて列挙し、令和7年版「法人税のあらましと申告の手引」に掲げられた34事業のいずれかに当たるかを1科目ずつ判定します。宿泊料は旅館業、駐車場の賃貸は駐車場業、境内地や会館の時間貸しは席貸業、物品の販売は物品販売業と、日常的な収入ほど該当しやすい点に注意してください。判定に迷う科目は、根拠とともにメモを残します。 - ステップ2:継続性と事業場の要件を確認する
34業種に当たると判定した収入について、法人税基本通達15-1-4・15-1-5に照らし、事業場を設けて継続して行われているかを確認します。年数回の行事でも反復して行われていれば要件を満たしうるため、「常設ではないから対象外」と早合点しないことが大切です。 - ステップ3:区分経理を損益と資産・負債の両面で整える
法人税基本通達15-2-1に従い、収益事業の経理を収益・費用だけでなく資産・負債についても区分します。共通費用は同15-2-5の定める合理的な基準で配賦し、その基準を継続的に使うことを社内規程や経理マニュアルに残してください。共用資産は資産そのものを移すのではなく、減価償却費などを按分する処理になります。 - ステップ4:法人と個人の支出を分離し、必要な届出を済ませる
役員・住職等の私的費用が法人の経費に混ざっていないかを点検します。混在があれば、現物給与として源泉徴収の対象になるかを確認し、必要な是正を行ってください。新たに収益事業を開始した場合は、開始の日以後2月以内に収益事業開始等届出書を貸借対照表と定款等の写しを添えて所轄税務署長へ提出します。
- ☑ 収入科目の一覧を作り、34業種との対応を記録した
- ☑ 継続性・事業場の要件を通達に照らして確認した
- ☑ 収益事業の資産・負債まで区分経理している
- ☑ 共通費用の配賦基準を文書化し、継続適用している
- ☑ 法人と個人の支出が明確に分かれている
- ☑ 収益事業開始等届出書の提出状況を確認した
よくある質問
- Q. 宿坊の宿泊料はすべて法人税の課税対象になりますか?
- A. 宿泊料を受けて参拝者を泊める行為は、令和7年版「法人税のあらましと申告の手引」に掲げられた34事業のうち旅館業に当たります。ただし収益事業に該当するには、事業場を設けて継続して行われることも要件です。法人税基本通達15-1-4は既存の施設を利用して事業活動を行うものも「事業場を設けて行われるもの」に含めるとしていますので、常設の建物でなくても要件を満たしうると考えられます。なお法人税基本通達15-1-6(3)は、旅館業を行う公益法人等がその旅館等において行う会議等のための席貸しを、収益事業に附随して行われる行為として挙げています。宿坊で会議室を貸す場合の収入も、旅館業に附随するものとして収益事業側に含まれることになります。
- Q. お布施や戒名料には法人税がかかりますか?
- A. 法人税が課されるのは、法人税法施行令第5条第1項各号に列挙された34事業に該当する事業から生じた所得です。宗教活動そのものに伴う収入がこの34事業のいずれにも該当しないのであれば、収益事業から生じた所得には含まれません。毎日新聞の令和8年9月10日の報道も、布施・さい銭・戒名料といった宗教活動にかかわる収入は課税されないと説明しています。個別の収入の判定は、名目ではなく実際の活動内容に即して行う必要があります。
- Q. 本来の目的で行っている事業なら課税されないのではありませんか?
- A. その理解は法人税基本通達15-1-1と異なります。同通達は、公益法人等が令第5条第1項各号に掲げる事業に該当する事業を行う場合には、たとえそれが本来の目的たる事業であるときであっても、その事業から生ずる所得については法人税が課されることに留意するとしています。目的の公益性ではなく、事業が34業種に当たるかどうかで判定されます。
- Q. 収益事業を行っていなければ税務署への提出書類は不要ですか?
- A. 収益事業がなくても提出が必要な場合があります。国税庁「令和8年版 宗教法人の税務」は「収益事業を行わない場合であっても、一定の収入があるときは、損益計算書等を所轄の税務署長に提出する必要があります」としています。自法人が提出対象に当たるかは収入の規模などによって決まりますので、所轄税務署または顧問税理士に確認してください。また同資料は、法人税の納税義務がある宗教法人は地方法人税の納税義務者にもなり、その申告および納付は各課税事業年度終了後2か月以内にしなければならないとしています。法人税だけを意識して地方法人税の申告を失念しないよう、期限は一体で管理してください。
- Q. NPO法人にも宗教法人と同じみなし寄附金の取扱いがありますか?
- A. 同じではありません。法人税基本通達15-2-4の(注)は、人格のない社団等ならびに非営利型法人、特定労働者協同組合および規則第22条の4各号に掲げる法人が収益事業に属する資産につき収益事業以外の事業に属するものとして区分経理をした場合であっても、その金額には寄附金の損金不算入の規定の適用はないとしています。NPO法人は税率区分でも「みなし公益法人等」に位置づけられ、年800万円超の部分は23.20%です。
参考資料・出典
- 国税庁「令和8年版 宗教法人の税務」(PDF)
- 国税庁「法人税のあらましと申告の手引」(令和7年版・PDF)
- 国税庁 法人税基本通達 第15章第1節第1款 共通事項
- 国税庁 法人税基本通達 第15章第2節 収益事業に係る所得の計算等
- 国税庁 タックスアンサー No.5759 法人税の税率
- 国税庁 C1-6 公益法人等又は人格のない社団等の収益事業開始等の届出
- 国税庁「一般社団法人・一般財団法人と法人税」
- 毎日新聞「世界遺産・高野山 宿坊で集団申告漏れ 1億円超、国税指摘」(令和8年9月10日・Yahoo!ニュース配信)
本記事は道濟会計事務所が監修しました。
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