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酒類業振興支援事業費補助金2026|第6期は10月28日締切と2つの枠

酒類業振興支援事業費補助金2026の第6期公募と2つの申請枠を示すタイトル画像
SUMMARYこの記事の要点3点
  • 1ポイント1:国税庁は令和8年度酒類業振興支援事業費補助金の第6期公募を開始しました。受付期間は令和8年10月8日(木)~令和8年10月28日(水)12:00までで、申請はJグランツのみです。
  • 2ポイント2:対象は酒類の製造免許若しくは販売業免許を受けている酒類事業者等です。海外展開支援枠は補助率2分の1・1,000万円以内、新市場開拓支援枠は2分の1又は3分の2・500万円以内です。
  • 3ポイント3:補助金は法人税・所得税の課税対象で、補助金額確定通知書の日付の事業年度に計上します。課税事業者は原則として消費税等を補助対象経費から除いて申請額を計算してください。

国税庁は、令和8年度酒類業振興支援事業費補助金の第6期公募を開始しました。酒蔵や酒販店などの酒類事業者が、日本産酒類の海外展開や国内外の新市場開拓に取り組む際の経費を補助する制度で、受付は令和8年10月28日(水)12:00までと短期間です。本記事では、国税庁の公募要領・制度概要・Q&Aをもとに、2つの申請枠の違いと補助対象経費を整理し、補助金を受け取ったときの法人税・所得税と消費税の扱いまで、税理士の視点で解説します。

酒類業振興支援事業費補助金の概要と第6期の日程

酒類業振興支援事業費補助金の制度概要と第6期の日程を象徴する徳利とおちょこ

制度の目的と予算

公募要領は、本事業の目的を、酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組及び国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大及び酒類業の経営改革・構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進することとしています。制度概要によれば、予算は令和7年度補正予算が9.0億円、令和8年度予算が6.0億円です。

第6期の日程

項目日程
公募期間令和8年10月8日(木)~令和8年10月28日(水)12:00まで
採択者決定令和8年11月下旬
事業開始令和8年12月上旬
事業期限令和9年2月28日(日)(同日までに支払が完了していること)

申請はJグランツのみで受け付けられ、Gビズ ID プライムアカウントの取得が必要です。申請先は国内における主たる事業実施場所を所轄する国税局で、大阪府の事業者であれば大阪国税局課税第二部の酒類業調整官が問い合わせ先になります。審査は、6名以内の外部有識者の意見を踏まえつつ国税庁に組織する審査委員会が行い、100 点満点の評価で採否が決まります。

採択された場合でも、予算の都合等により希望金額から減額される場合があります。採択事業については、事業者名、代表者名、法人番号、住所、採択金額、交付決定額などを公表することがあり、交付決定等に関する情報は gBizINFO に原則掲載されます。また、偽りその他不正の手段により補助金の交付を受けた者は、補助金適正化法第 29 条に基づき、5年以下の拘禁刑若しくは 100 万円以下の罰金に処せられる可能性があると、公募要領の重要事項に明記されています。

補助対象者

補助対象者は、公募申請時に酒税法の規定により酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者(当該免許を受けている者で構成される酒類業組合等を含む)、又は酒類事業者を少なくとも1者以上含むグループで、日本国内に所在する者です。酒類の免許を持たない事業者も、酒類事業者と組むグループ申請であれば参加できます。

次のような場合は補助対象外となります(公募要領の不適当な者①~⑪から抜粋)。
・公募締切日の時点で納付すべき国税(附帯税または地方消費税等を含む。)をその納付の期限までに納付していない場合
・公募締切日の前日から起算して3年前の日から公募締切日までの間に酒税関係法令に違反し、罰金以上の刑に処せられている場合
・過年度(令和3~6年度)の国税庁の酒類事業者向け補助金の補助事業者のうち、提出期限の到来した事業化状況報告書が未提出である場合

国税の納付状況は、公募締切日の時点で判定されます。申請前に、自社の国税に納付期限を過ぎた未納がないかを確認してください。

なお、国税庁のQ&Aは、酒類の免許を有していない人格のない社団等(〇〇協議会等)も、酒類事業者を1者以上含むグループで申請でき、その場合は代表申請者になることも可能としています。同一の者が複数の申請グループに参加することはできますが、代表申請者になれるのは1つの事業のみです。

中小企業への実務影響:2つの枠と対象経費

海外展開支援枠と新市場開拓支援枠の対象経費を象徴する地球儀

海外展開支援枠と新市場開拓支援枠の比較

項目海外展開支援枠新市場開拓支援枠
補助率補助対象経費の2分の1補助対象経費の2分の1又は3分の2
補助金額1,000 万円以内(下限:50 万円)500 万円以内(下限:50 万円)
申請要件―給与支給総額を年率平均 1.5%以上、売上額又は付加価値額を年率平均3%以上増加させる事業計画
主な対象事業海外販路拡大・高付加価値化、酒蔵ツーリズム、酒米産地との連携(海外展開又はインバウンド向け)商品の差別化、販売手法の多様化、ICT技術を活用した製造・流通の高度化・効率化、酒米産地との連携

新市場開拓支援枠の補助率3分の2は、常勤従業員数が 20 人以下(卸売業・小売業では5人以下)の法人又は個人である小規模事業者に適用されます。グループ申請では、代表申請者又は参画事業者である酒類事業者のすべてが小規模事業者である必要があります。交付決定後でも、補助事業実施期間終了までに定義からはずれた場合は、補助率2分の1に変更となります。

海外展開支援枠でグループ申請をする場合、制度概要は上限額を1,200万円(3者)、1,300万円(4者)、1,400万円(5者)、1,500万円(6者以上)としています。地域の複数の酒販店が連携してインバウンド向けの酒販店巡りを造成する取組も、対象となる取組例に挙げられています。

優先採択と評価が劣後する事業

酒米の価格高騰等の影響、又は米国の関税措置の影響を受けた場合(受ける見込みを含む)で、補助事業内容がその影響への対応として関連性を有すると認められる取組は、優先採択の対象です。一方、事業の経費が全て設備投資であり、かつ、設備の導入のみで完結する事業や、補助事業期間中にテスト販売を除き成果物の販売及び販売につながる営業行為が行われる事業は、審査で評価が劣後します。タンクや冷蔵設備を入れるだけの計画ではなく、導入した設備で新商品開発に着手する、マーケティング調査を行うといった取組を計画書に書き込むことが求められます。

補助事業期間中に認められるのはテスト販売だけです。テスト販売の要件として、準備期間と販売期間が合わせておおむね半年以内となること、同一の場所・サイト及び同一の趣旨で複数回行わないこと、消費者等に対してアンケート等の調査を行い効果検証が可能であることが挙げられています。テスト販売の収入について、補助対象経費の2分の1又は3分の2と収入金額の合計が補助事業に要する経費を超えた場合は、超えた部分の額に相当する補助金額が減額されます。

補助対象経費は17区分

補助対象経費は、設備等費、謝金、旅費、借損料、通訳・翻訳費、会議費、広報費、委託費、外注費、マーケティング調査費、産業財産権等取得等費、展示会等出展費、雑役務費、原材料等費、設計・デザイン費、出演料、運営費の17区分で、これ以外は認められません。交付決定を受けた日以降に発注を行い、補助事業期間内に支払を完了したものに限られます。

経費区分ごとの注意点も確認しておきます。ソフトウェアの構築のための委託費又は外注費は設備等費に該当します。広報費で作成するパンフレット等には、令和8年度 国税庁酒類業振興支援事業費補助金にて作成した旨を明記する必要があります。クラウドファンディング事業者や電子商取引(EC)事業者に支払う利用費は委託費に含まれますが、本事業の実施に伴い新たに発生した経費部分のみが補助対象です。発注先の選定では、1件当たり 10 万円以上(税抜)を要するものについて、原則として2社以上から見積りをとることが必要です。

補助対象とならない主な経費(公募要領から抜粋):人件費(参画事業者の人件費も含む。)、交付決定日前に発注、購入契約等を実施したもの、パソコン、サーバ、タブレット、プリンタ等の購入費、事業所等に係る家賃、税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用、公募申請書、交付申請書等の書類作成に係る費用、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用など。

当事務所の見解・税務上の注意点

補助金の消費税と収入計上時期など税務上の注意点を象徴する貯金箱

課税事業者は消費税等を除いて申請額を計算する

公募要領は、公募申請書の補助金申請額算定段階において、消費税等は補助対象経費から除外して補助金額を算定するよう求めています。消費税の確定申告で仕入控除とした消費税等のうち補助金充当額が補助事業者に滞留することを防ぐための取扱いです。ただし、消費税法上の免税事業者、簡易課税事業者、課税売上割合が低い等の理由から消費税仕入控除税額確定後の返還を選択等する事業者などは、消費税等を補助対象経費に含めて補助金額を算定できるとされています。

当事務所が申請前の確認で重視しているのは、自社の消費税の立場です。原則課税か簡易課税か、免税事業者かによって申請額の計算が変わるため、まずこれを確定させ、課税事業者であれば見積書の金額を税抜で集計し直すところから始めてください。

給与支給総額と付加価値額の定義を押さえる

新市場開拓支援枠の申請要件にある給与支給総額は、全従業員(非常勤含む)及び役員に支払った給与等で、給与、賃金、賞与及び役員報酬等を指し、福利厚生費、法定福利費や退職金は除くとされています。Q&Aでは、残業手当、休日出勤手当、住居手当等の給与所得とされる各種手当は含まれると整理されています。付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。いずれも決算書と賃金台帳から計算する数字であり、計画値を置く前に基準年度の実績を正確に集計しておくことが、後の返還判定で困らないための前提になります。

収入計上は補助金額確定通知書の日付

補助金は、法人であれば法人税、個人事業者であれば所得税の課税対象です。Q&Aは、精算払、概算払を問わず、補助金額確定通知書に記載された補助金確定額を、当該通知書の通知日の属する年分又は事業年度の収入金額又は益金に算入するとしています。事業期限は令和9年2月28日(日)で、補助事業完了後30日以内に実績報告書を提出し、その後に額が確定するため、3月決算の法人では確定通知の日付がどちらの事業年度に入るかで課税年度が変わり得ます。決算と納税の見込みを立てる際は、通知書の日付を必ず確認してください。

事業が終わってからも5年間の報告が続く

補助事業者は、補助事業を完了した日の属する会計年度の終了後5年間、毎会計年度終了後 90 日以内に事業化の状況を国税庁長官に報告しなければなりません。報告しなかった場合は補助金の返還を求められることがあります。また、取得価格が単価 50 万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない。)以上の機械、器具又は備品等は処分制限財産とされ、処分によって得た収入がある場合はその一部を国に納付する必要があります。補助事業で取得した機械等は固定資産台帳に記載し、証拠書類は補助事業の完了の日の属する会計年度の終了後5年間保存します。経営面の相談とあわせて、堺市の税務顧問のご案内もご覧ください。

今すぐやるべきこと:10月28日までの5つの手順

10月28日の締切までに進める申請手順を象徴する砂時計

締切まで3週間を切っています。次の順で準備を進めてください。

  1. ステップ1:Gビズ ID プライムアカウントを確認する
    申請はJグランツのみで受け付けられ、Gビズ ID プライムアカウントが必要です。書類郵送申請では発行に1~2週間程度かかり、発行の遅れによる申請期限の猶予は認められません。
  2. ステップ2:申請する枠と補助率を決める
    海外展開支援枠か新市場開拓支援枠かを決めます。新市場開拓支援枠では、常勤従業員数が 20 人以下(卸売業・小売業では5人以下)かどうかで補助率が3分の2か2分の1かに分かれます。
  3. ステップ3:対象経費を見積り、消費税等を除いて申請額を計算する
    経費を17区分に当てはめ、1件当たり 10 万円以上(税抜)のものは原則2社以上から見積りをとります。課税事業者は、原則として消費税等を補助対象経費から除外して補助金額を算定します。
  4. ステップ4:新市場開拓支援枠は給与と売上の計画を作る
    3~5年の事業計画期間で、給与支給総額を年率平均 1.5%以上、売上額又は付加価値額を年率平均3%以上増加させる計画が申請要件です。基準年度の決算書から計算します。
  5. ステップ5:納税状況と過去の報告義務を確認してから申請する
    公募締切日の時点で納付すべき国税を納付期限までに納付していない場合や、過年度の補助金の事業化状況報告書が未提出の場合は対象外です。確認後、所轄の国税局宛にJグランツで申請します。
  • ☑ 酒類の製造免許又は販売業免許の種類と免許者名義を確認した
  • ☑ 国税の未納がないことを確認した
  • ☑ 設備導入だけで終わらない取組内容を補助事業計画書に書き込んだ
  • ☑ 補助事業期間中に成果物の販売を予定していないことを確認した

大阪府の事業者の問い合わせ先は、大阪国税局課税第二部の酒類業調整官(TEL:06-6941-5331、内線:2225、2226)です。公募要領は、申請前に書類に不備や不足がないことを必ず確認するよう求めており、不備等がある場合は不採択となります。締切直前はJグランツへの入力に時間がかかることも想定し、余裕をもって申請を終えてください。

よくある質問

Q. 酒類の販売業免許だけでも申請できますか?
A. できます。補助対象者は、公募申請時に酒税法の規定により酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者(その者で構成される酒類業組合等を含む)、又は酒類事業者を少なくとも1者以上含むグループです。ただし優先採択のうち酒米の価格高騰等の影響による取組は、申請者又は参画事業者に製造免許を受けた者がいる場合に限られます。
Q. 過去に不採択になった事業でも、もう一度申請できますか?
A. できます。国税庁のQ&Aは、これまでの酒類事業者向け補助金で不採択になった事業でも、本補助金の補助対象事業であれば公募申請は可能としています。その場合は公募要領の評価基準等を参考に、補助事業計画の内容を見直してから申請するよう求めています。一方、過去に採択された事業と全く同じ取組内容で申請した場合は、採択することはないとされています。
Q. 酒類以外の商品の開発にも使えますか?
A. 原則として使えません。国税庁のQ&Aは、補助金の趣旨・目的から、原則として酒類以外の商品の開発を目的とする事業は補助対象とならないとしています。また、既に果実酒の製造免許を受けている事業者が新たにリキュールの製造免許を取得する場合に、その設備要件を満たすために必要な機械等を補助対象とすることはできないとされています。
Q. 補助金の収入は、いつの売上(益金)になりますか?
A. 公募要領は、国税庁の補助金は法人の場合は法人税、個人事業者の場合は所得税の課税対象になるとしています。Q&Aでは、精算払、概算払を問わず、補助金額確定通知書に記載された補助金確定額を、その通知書の通知日の属する年分又は事業年度の収入金額又は益金に算入するとされています。入金日ではなく通知書の日付で判断する点に注意してください。
Q. 常勤従業員の人数には、パートや役員も含まれますか?
A. Q&Aでは、常勤従業員は中小企業基本法上の常時使用する従業員をいい、労働基準法第 20 条の規定に基づく解雇の予告を必要とする者と解されるとしています。日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者などは含まれません。法人役員や専従者も含まれず、アルバイトやパートの者が該当するかどうかは個別に判断するとされています。
Q. 給与支給総額の目標を達成できなかったら、補助金を返す必要がありますか?
A. 新市場開拓支援枠では、事業計画終了時点で給与支給総額の年率平均 1.5%以上の増加目標が達成できていない場合、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分の返還を求めるとされています。ただし、給与支給総額の年率増加率平均が売上額又は付加価値額の年率増加率平均の2分の1を超えている場合や、天災などの場合は返還を求めないとされています。
Q. 採択されたら、すぐに発注してもよいですか?
A. 交付決定の前は発注できません。公募要領は、補助金の交付決定を通知する前に発注等を行った経費は補助金交付対象とならないとしています。採択後は採択者向けの説明会への参加と交付申請書の提出があり、交付決定をもって補助事業開始となります。概要資料では、採択者決定は令和8年11月下旬、事業開始は令和8年12月上旬の予定です。

参考資料・出典

本記事は道濟会計事務所が監修しました。




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